きょうはとても暑いですね。
寝不足で二日酔いの私にはとてもこたえます。
「節電の夏」が乗り切れるか今から不安です・・・。
さいたま市では現在、
「全員参加!乗り切ろう電力危機」
と銘打って節電を呼びかけています。
私ねえ、ひねくれ者ですからねえ、この「全員参加」とか「1つになろう」とかを立場のある人や機関が呼びかけるのがだいっきらいなんですけど。
事態が深刻なら、そんなこといわれなくったってそうするよ、と思ってしまうんです。
とくに、行政は「一人ひとりは個性があって違います。その違いを認め合おう」とか言うくせに、ここでは「全員参加」ですか。
昨年の夏は埼玉県では熱中症によりお年寄りが室内でたくさんなくなったと聞きます。
ああ、このスローガンを真に受けたお年寄りが節電の余り、命まで危険にさらされないことを願うばかりです。
さてと、オープニングトークはそこまでにしてと。
本日から3日連続で、さいたま市教育委員会のいじめ対策の取り組みを紹介する連載を埼玉県版で始めました。
私にとって、一番燃える取材・記事は「スクープ」ですが、
こういう記事のように「書きたい」と思ったことをニュース記事では書けない部分まで書ける連載記事も今回改めていいなあと思えました。
執筆のきっかけは、記者会見で桐淵博教育長が発した言葉でした。
とにかく私、記事に使おうと必死でメモして、聞き取れなかった部分を「あ、さっきなんと言いました? もう一度お願いします」と聞き直してしまいました。
この言葉がなんで自分にとって引っかかったのか。
それは記事の中でつづっていますが、本当に、今回は桐淵さんの熱意と人柄に動かされました。
私も桐淵さんに負けないように、魂を込めて執筆したので、どうかぜひお読みになって、ご感想をいただけたらと思います。
私も子供の頃、こんな先生に出会っていたらもっとマシな人間になってたかも・・・こんな感情もありつつ。
【いじめはなくせるか-さいたま市教育長の挑戦(上)】
「きれいごとでもいい。語ろう」
2011.6.21 14:02
5月24日、さいたま市役所で市教育長の定例記者会見が行われた。一般的に、自治体の定例会見というものは自治体側からの「お知らせ」が多く、記者の側があまり関心を示さない話題もある。しかし、この日はなぜか違った。
「子供の成長過程でけんかやトラブルはつきもの。ただ、いじめという卑怯な手段だけはなくしたい。『いじめはなくならない』との考えもあるが、『そんなことはやめようよ』との声を大にしていきたい」
発表者は、市教育長の桐淵博(58)。その内容は、1年のうちで6月が最もいじめの認知件数が多くなることを受け、市教委が6月を「いじめ撲滅強化月間」と銘打って実施する取り組みについてだった。
桐淵の言葉を書き漏らすまいと、記者の多くが必死でノートにペンを走らせた。翌日以降、この会見を記事にした複数の新聞紙面には、ほぼ同じコメントが掲載されていた。
一定の経験を積んだ記者なら、これまで数々の「いじめ対策」を聞いている。しかし、正直言ってその多くはありきたりのものだ。
桐淵の言葉が記者の心に響いたのは、「いじめがいけないのはなぜか」という記者の問題意識に対する答えが、明確に示されていたからに違いない。
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「私は、本音を言わせないまま卒業させてしまったんだなと。彼の言葉を聞いたときは、涙が止まらなかった…」
6月1日、同市浦和区の市教育研究所。若い教諭や教職志望者を対象にした研修会「教師力パワーアップ講座」で講演した桐淵は、かつての現場経験を思い出し、声を詰まらせた。
クラスメートから集団でいじめられていた生徒。担任として精いっぱいの対応をしたつもりだったが、成人後に再会したときに発した言葉は、「あの頃は地獄だった」というものだ。
こんな苦い思い出を紹介しつつ、いじめられている子供たちへの対応の仕方を切々と訴えた。「いじめでプライドを傷つけられた子供の痛みを分かってあげてほしい。そして、そばに寄り添ってほしい」
講演は予定時間を超えていたが、桐淵は「もう少しだけ」とさらに自身の体験談や好きな言葉などを語り続け、こう締めくくった。
「教師は、人間として何が大切かを語ろう。きれいごとでもいい。きれいごとを誰も言わなくなったら、それこそ変な世の中だ」
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「私はあの頃、大人たちが信じられなかった」
桐淵の講演を最前列で聞いた女性(24)はこうつぶやき、涙をぬぐった。社会人3年目だが、空回りの日々に限界を感じ、転職を考えている。この日は教育の道も選択肢の1つと考え、飛び入り参加した。
中学時代、クラスメートにいじめられた。無視されたり、私物がなくなっていたり…。「女子校特有の陰湿ないじめ。でも自分の性格も悪かったから」。今となってはこう笑い飛ばせるが、一番頼りたかった担任に、見て見ぬふりを決め込まれたのは辛かった。
「思春期に親に心を開ける子供はそんなに多くない。だから、教師は身近にいる数少ない『大人』。教師こそ人生のすばらしさを語ろうという桐淵さんの話に感銘を受けたし、そういう先生に出会いたかった」
桐淵の魂は、確かに参加者の心に届いたようだ。参加者の感想文には「今までいじめ解決のテクニックばかり考えていた」「子供に信念を伝えたいという気持ちが伝わってきた」などの言葉が並んだ。
こんな反応をみていると、さいたま市のいじめ対策は順風満帆と思えなくもない。ただ、市の教育関係者にとっては、忘れることのできない過去がある。=敬称略
(安岡一成)
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さいたま市では、1年のうち最もいじめの認知件数が多いのが6月。いじめ撲滅に情熱を傾ける桐淵博教育長を中心に、いじめ対策に取り組むさいたま市教委の真剣勝負に迫る。
by 安岡一成
こんな自衛隊大宮駐屯地に国が…