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'12/1/22

復権シナリオに暗雲 小沢氏、解散を警戒

 民主党の小沢一郎元代表が描く反転攻勢のシナリオに暗雲が漂い始めた。消費税増税反対を貫いて9月の代表選での復権を目指すが、野田佳彦首相が「消費税解散」も辞さない姿勢を強めているためだ。早期の衆院選で手勢を大量に失えば、代表選戦略の崩壊は必至。政治資金規正法違反事件の公判も抱え、小沢氏には焦りの色も見える。

 「消費税増税を何としても実行するのが政府の姿勢だ。特に首相が強い決意を持っていると聞くが、それは2009年衆院選の約束と違う」。小沢氏は22日、北海道釧路市内の会合で、増税に反対する考えを重ねて強調。17日にも「増税を掲げて解散も辞さずと言っているようだが、どのような政治感覚をしているのか」と首相を批判した。

 小沢氏サイドは4月に予定される判決で無罪を勝ち取り、9月の代表選に向けて主導権を確保する展開を想定する。しかし、首相は16日の党大会で「やるべきことをやり抜いて民意を問う」と解散に踏み切る可能性を示唆。早期解散が現実となれば、選挙基盤の弱い若手が多い小沢グループは激減するとささやかれる。

 党大会と同じ日に開かれた小沢グループ勉強会には、衆参両院議員109人が参加。「数の力」をあらためて見せつけたが、首相が消費税増税の旗を降ろす気配はない。

 一部では「野党提出の内閣不信任決議案に賛成し、民主党離党議員らによる新党や野党の増税反対勢力、地域政党を巻き込んだ政界再編に動きだすのではないか」(若手議員)とみる向きもある。ただ、小沢氏は周囲に「みんなで一生懸命頑張って政権交代した。離党など絶対にしない」と語っているという。当面は首相をけん制しつつ、慎重に策を練る構えだ。




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