米ホワイトハウスのカーニー大統領報道官は20日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。日本政府が、東京電力福島第一原発が「冷温停止状態」になったと発表したことについて「重要な節目だ」と歓迎。東日本大震災後の日米協力で、両国の連携が「より強固になった」と語った。
野田佳彦首相が昨年12月に発表した「冷温停止」に対する、米ホワイトハウスの評価が明らかになるのは初めて。カーニー氏は「日本政府の発表を我々は歓迎している。昨年3月の危機からの回復における重要なマイルストーン(節目)だ」と述べた。
ただ、同時にカーニー氏は「我々は、放射能による汚染の除去を含めて、なされなければならない作業が多く残っていることを理解している」とも語り、除染などの課題が依然として山積しているとの見方も示した。また、震災後に在日駐留米軍が展開した「トモダチ作戦」などで、日米関係は「以前よりもさらに強固になった」と強調した。
オバマ政権の外交政策についてカーニー氏は、ブッシュ前政権がイラクなど中東の問題にかかりきりになっていたとの反省に立って、アジア太平洋地域に軸足を移す「リバランス(再調整)」を進めていると説明。「人々は中国に焦点をあてる傾向があるが、大統領にとって主要な力点の一つは、日本との同盟強化であり、それはリバランスを進めるうえでカギを握っている」と述べた。(ワシントン=尾形聡彦)