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福島・新地町が土地買い取り基準

1月21日 6時7分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

沿岸部の集団移転を計画している福島県内の自治体のうち、新地町が初めて住民から土地を買い取る際の基準を算定し、震災前に公示された地価のおよそ8割の価格で買い取ることを明らかにしました。

福島県内では、新地町をはじめ、南相馬市と相馬市、いわき市、それに広野町の5つの市と町が沿岸部の住民の高台への集団移転を計画しています。このうち、地震や津波で500戸余りの住宅が全半壊した新地町は、5つの自治体では初めて移転対象になっている住民から土地を買い取る際の基準を独自に算定しました。対象は、町の条例で住宅の建築が制限される「災害危険区域」に指定された4つの地区の住民で、過去に起きた災害での基準などを参考にして震災前に公示されていた地価のおよそ8割の価格で買い取るということです。4つの地区には、震災前はおよそ390戸の住宅があり、買い取り額は1平方メートル当たり最大で1万4000円程度になる見通しだということです。町は、今後、対象となる住民にこの基準について説明し、移転に関する意向を取りまとめることにしています。土地を買い取る際の基準を決めたことを受けて、新地町は、移転の対象になっている地区の住民を対象に説明会を開きました。説明会は「災害危険区域」に指定されている4つの地区の住民を対象に非公開で行われ、町から、基準の算定方法などについて説明があったということです。参加した男性は「津波が来るような場所では、買い取り額が大きく下がるとも聞いていたので、町が示した基準は思ったより高くてほっとしました」と話していました。また、1人暮らしの78歳の女性は「土地を買い取ってもらえるのはありがたいですが、高台の家で1人で暮らすのは大変なので集団移転は難しいです」と話していました。