性犯罪に関わる法律の課題について専門家が意見を交わすシンポジウムが東京で開かれ、出席者からは、強姦罪などは被害者の告訴がなくても起訴できるよう法律を改めるべきだなどという意見が出ていました。
シンポジウムには法律の専門家や性犯罪の被害者を支援する人たちが集まりました。この中で刑法の専門家などから、強姦罪や強制わいせつ罪は被害者などの告訴が必要な「親告罪」だが、加害者から脅され告訴できないことがある。親告罪の規定をなくすよう法律を改めるべきだ、という意見が出ていました。また子どもへの性的虐待を巡って、法律の専門家から、「親告罪であるため家族を訴えることができず、泣き寝入りしているケースがある。性的な虐待に対応する新しい法律が必要だ」といった意見が出たほか、性的虐待を受けてきたという女性が、「被害を受けたあと長い間苦しむ被害者への支援や、加害者の更正も考えて、新たな法律を作ってほしい」と訴えました。主催した専修大学法科大学院教授で刑法が専門の岩井宜子さんは、「性犯罪に関わる法律の中には、明治時代以来大きく改正されていないものも多い。専門家の間でも十分議論されずにいる。現在の被害の実態を踏まえた議論と見直しが必要と思う」と話していました。