把瑠都(右)が寄り切りで琴欧洲を破る=両国国技館で
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◇初場所 14日目(21日・両国国技館)
13日目に初優勝を決めた把瑠都(27)=尾上=は琴欧洲との大関対決を力強い寄り切りで制し、14戦全勝とした。琴欧洲は4敗目。
3連覇を逃した横綱白鵬(26)=宮城野=は大関琴奨菊(27)=佐渡ケ嶽=を左突き落としで退け、11勝目を挙げた。琴奨菊は7勝7敗。新大関稀勢の里(25)=鳴戸=は大関日馬富士(27)=伊勢ケ浜=に強烈に突き落とされ4敗目を喫した。日馬富士は11勝3敗。
関脇鶴竜は新鋭の高安に突き出されて5敗目となった。十両は千代大龍(23)=九重=が12勝目を挙げ、先場所の勢(いきおい)に続く新十両優勝を果たした。
歓喜の美酒から1日たっても気持ちに緩みは、みじんもない。次なる狙いを「全勝優勝」に絞った把瑠都はもろ手突きで琴欧洲の上体を起こし、左上手をつかむと豪快に振り回して寄って出た。
「立ち合いが最高。とにかく突き放していこうと思った。楽に相撲がとれて前へ、前へとね」とほおを緩ませる。年6場所となった1958年以降8人目、2007年夏場所の白鵬以来となる大関の全勝優勝まであと「1」と迫って笑顔が絶えない。
場所が進むにつれ、プレッシャーにつぶされそうになり眠れない日々が続いていた。しかし優勝を決めた前夜はエレナ夫人と来日したばかりの妹のピレさんの3人で肉料理でくつろいだ。「しっかり寝ました。朝までグッスリ。それまでは無理して寝てたけどね」と素直な心境を吐露した。
がぜんムードが盛り上がってきた千秋楽。立ちはだかる横綱白鵬には昨年は5戦して2勝3敗。先場所ははたき込みで破って、横綱の全勝優勝を阻んでいる。「自信満々じゃないが、今年は一つも負けてない。迷いなく、思い切って自分の相撲をとるだけ」と意気込む。
千秋楽は、息子の晴れ姿を見るために母親のティーナさん(49)が国技館を訪れる。来日するのは大関昇進を決めた10年春場所以来で「いつも通り頑張っている姿を見せたい」。全勝で初優勝に花を添えれば最高の親孝行になる。 (竹尾和久)
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