本年度末に完成予定の本耶馬渓耶馬渓道路=中津市本耶馬渓町
中津市と日田市を結ぶ地域高規格道路「中津日田道路」(約50キロ)のうち、大分県が整備している中津市内の本耶馬渓耶馬渓道路(5キロ)が3月末の完成に向けて最終段階の工事に入った。山間部を走る新しい幹線道路が姿を現している。だが、日田市側の一部区間はルートも決まっておらず、全線開通の見通しは立っていない。
本耶馬渓耶馬渓道路(本耶馬渓町落合―耶馬渓町山移)は国道500号と県道森耶馬渓線を結ぶ。県管理道路のトンネルでは最長になる「はなぐりトンネル」(約1・8キロ)が完成。年明けからは舗装や照明、交通安全施設の工事が本格化する。
中津日田道路は、国が重点港湾に位置付ける中津港と東九州自動車道、大分自動車道を結び、時間短縮による物流の効率化や地域活性化への効果が期待されている。災害時には救助活動や物資輸送に活用できる。
旧中津市内では既に海岸部と国道10号を結ぶ区間(4キロ)が開通。県は2014年度開通予定の東九州自動車道に接続する中津三光道路(3キロ)を同時期に完成させ、中津港と東九州道の直結を目指す。
一方で中津市耶馬渓町―日田市(19キロ)はまだルートや整備手法が決まっていない。県は事業着手の必要性を強調しながらも、厳しい財政状況を踏まえ、「現在の国道212号の活用と別線(新設)の両方で検討している」と説明する。
国直轄の三光本耶馬渓道路(13キロ)は、本年度の事業費が前年度比で半減。事業進捗(しんちょく)の遅れが懸念されている。県は12年度政府予算の箇所付けに向け、国に予算確保の働き掛けを強める方針。
ポイント
中津日田道路 全長は約50キロ。全線2車線(一部は暫定2車線)。全線開通後は中津―日田間をほぼ並行している国道212号を使う場合より約30分短縮して50分で結ぶ計画。事業化した区間(完成分も含む)は中津市側から▽中津港線(4キロ)▽中津道路(2キロ)▽中津三光道路▽三光本耶馬渓道路▽本耶馬渓耶馬渓道路▽耶馬渓道路(5キロ)。
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