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木嶋被告公判:大出さん解剖の医師「3種の睡眠薬検出」

 首都圏連続不審死事件で殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第6回公判が19日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)であった。09年8月に練炭自殺を装って車内で殺害されたとされる東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん(当時41歳)を司法解剖した医師が証人出廷し、遺体から3種類の睡眠薬成分が検出されたと証言。事件を捜査した警察官は大出さんが事件前に睡眠薬を入手した形跡がなかったと証言した。

 解剖医は、大出さんの遺体からハルシオン、マイスリー、レンドルミンと呼ばれる3種類の成分が検出されたと説明。検察側はこの3種類は木嶋被告が事前に入手していた睡眠薬と指摘した。警察官は大出さん宅の捜索や病院での処方歴などから、03年に1錠を処方された以外は大出さんが睡眠薬を処方されたり、入手したりした形跡はなかったと述べた。一方、大出さんが自殺した疑いを主張する弁護側は、大出さんがインターネットなどで睡眠薬を入手した可能性を追究した。

 また検察側は、被告が事件後に実家に送った、すり鉢とすりこぎから、この3種類を含む睡眠薬成分が検出されたと指摘。被告と08年まで同居していた妹が「(錠剤を小さく砕いた)飲み方を見た記憶はありません」と述べた供述調書を朗読し、被告が睡眠薬を砕いたりすりつぶしたりして服用する習慣がみられなかった点を指摘した。【田口雅士、平川昌範】

毎日新聞 2012年1月19日 22時15分

 

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