核開発を進めるイランに対して欧米諸国が制裁を強めようとするなかで、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は、今の制裁措置でも十分ではないとして一層の強化を国際社会に求めました。
核開発を続けるイランを巡っては、アメリカがイラン中央銀行と取り引きする金融機関をアメリカ国内から事実上締め出すことで各国がイランから原油を輸入できにくくする法律を施行したほか、EU=ヨーロッパ連合もイランの原油の禁輸措置に向けた最終調整に入るなど、国際社会の包囲網が狭まっています。これについてイスラエルのネタニヤフ首相は、国会の外交防衛委員会で、16日、「まだ不十分だ。石油産業と中央銀行を狙い撃ちしたさらなる制裁がなければ核開発は止められない」と述べ、現在の制裁ではイランに核開発を断念させることはできないという考えを示しました。イスラエル政府は、イランを安全保障上の脅威だとして、イランが核開発をやめなければ空爆などの軍事行動の選択肢も排除しないとの構えを続けていますが、ネタニヤフ首相のこの日の発言は、欧米諸国による制裁措置の一段の強化を通じて、イランを核開発の断念に追い込みたいねらいがあるものとみられます。