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「2度のスロースリップが本震の発生促す」
去年の東日本大震災発生直前に、2度にわたって岩盤の境目がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」と呼ばれる現象が起こり、これが巨大地震の発生を促したという研究成果が、20日付のアメリカの科学誌「サイエンス」電子版に掲載された。
東京大学地震研究所・加藤愛太郎助教と小原一成教授らのグループは、東日本大震災の震源域で震災までの約1か月間に発生した微小地震について解析を行った。その結果、2月中旬から下旬にかけてと、震災2日前に発生したマグニチュード7.3の地震以降、3月11日の本震までの2回にわたって、本震の断層破壊開始点に向かって、北から南の方向に微小地震の震源が移動していたことがわかった。この震源の移動は、岩盤の境目がゆっくりとずれ動くスロースリップと呼ばれる現象で、加藤助教は、このスロースリップが本震の破壊開始点に力を集中させたため、東日本大震災発生を促した可能性があると指摘している。
こうしたスロースリップの現象は、将来、巨大地震が想定される紀伊半島や四国地方の地下深くでも観測されており、小原教授は、どこの場所に限らず、こうした現象を注意深く監視していくことが重要としている。
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