米国:対イラン、石油産業の包括的経済制裁を発動

2011年11月22日 11時16分 更新:11月22日 11時46分

 【ワシントン白戸圭一】米政府は21日、イランの主力産業である石油産業に対する包括的な経済制裁を発動した。国際原子力機関(IAEA)が今月8日の報告書で核兵器開発の「証拠」を指摘したことなどを受けた圧力強化策の一環。英国、カナダ両政府も米国に同調して同様の制裁を発動した。

 米政府はこれまで、イランと取引のある外国企業への個別制裁や、国営イラン航空の資産凍結などの措置を取ってきたが、石油・石油化学産業を対象とする包括的な制裁は初めて。

 石油産業への制裁は1回の取引額が100万ドルを超えたり、同一企業との年間取引額が500万ドルを超える場合に適用。イラン側企業へのあらゆる物資、サービス、技術などの販売や賃貸を禁止する。石油化学産業にもほぼ同様の制裁を科す。

 また、米政府はイラン中央銀行を含むイランの金融機関が違法なマネーロンダリング(資金洗浄)に関与していると米愛国者法に基づき指定し、国際社会に取引を停止するよう呼びかけた。イラン産原油の購入代金は主に中央銀行を通じて決済されており、対米関係への配慮から取引を停止する企業が相次げばイラン経済は大打撃を受けそうだ。

 オバマ大統領は制裁発動に合わせて声明を発表し、「イランが危険な道を歩み続ける限り、米国はイランの政権を孤立させ、圧力を強める方策を見いだす」と述べ、圧力を強める構えを鮮明にした。

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