野菜・総菜・韓国の化粧品… コンビニ好調、女性が支え

写真・図版

野菜やお総菜がたくさん並ぶコンビニは主婦らにスーパー代わりに使われている=川崎市

写真・図版

コンビニ売上高

 コンビニエンスストアの売り上げが大きく伸びている。20日の日本フランチャイズチェーン協会の発表によると、昨年の売上高は計8兆6769億円にのぼり、前年より8%増えた。野菜や総菜など女性向けの商品を増やし、店に呼び込んだ効果が出たようだ。

 川崎市の住宅街にある、ローソン川崎神木本町4丁目店。19日午後4時過ぎ、客の大半は主婦だった。「生鮮食品がなければ、店は立ちゆかないかも知れない」とオーナーの鈴木俊昭さん(30)は言う。

 店内には、菓子や飲料だけでなく、ネギやホウレンソウ、小松菜、白菜など105円均一の野菜が数種類ならぶ。その隣の棚には卵や納豆、豆腐、空揚げ粉と並び、まるでスーパーだ。

 「野菜は利益は薄いが、一緒に加工食品や生鮮食品を買ってもらうきっかけになる。晩ごはんのおかずを買いに来る女性客のおかげで、売れ行きが伸びている」と鈴木さんは言う。

 協会によると、コンビニの店舗は増え続け、2011年末時点で4万4403店になった。店が客を呼び込める商圏の大きさを考えると、「採算がとれるのは5万店が限界」と言われていて、それに近づいている。だが、昨年のコンビニの来店者数は前年より3.3%伸び、1人の客が使った金額も平均604円と4.7%増えた。業界関係者らは今や「(店舗数は)いくらでも増やせる」と口をそろえる。

 拡大のカギを握るのが、女性だ。もともと、コンビニ客は7割が男性と言われてきた。これに対して、業界最大手セブン―イレブンの幹部は「昨年、増えた客の7〜8割は女性ではないか」と分析する。

 セブンはここ数年、主婦などを呼び込もうと総菜や野菜、日用品の品ぞろえを増やしてきた。それが、東日本大震災を機に起きた物不足の中でコンビニを訪れた女性客に評価され、女性増につながったとみる。

 野菜や総菜だけでなく、新商品で差をつけようという動きも出ている。

 ファミリーマートは昨年秋から、1人暮らしの女性向けに少量のおかずの販売に力を入れている。ミニストップも昨年8月、女性に人気の料理家、青山有紀さん監修の総菜やお弁当を売り出し、目標の2倍近い売り上げになった。サークルKサンクスは昨年春から、韓国で人気の女性用化粧品ブランドを店内に置いている。同社は「おかげで化粧品が好調だ」と手応えを語る。(古谷祐伸)

最新経済記事

動画

福島第一2号機の格納容器内部

更新情報

  • Androidタブレット版アプリをv1.0.2にバージョンアップしました。新たにタイムマシン機能を搭載しています。Androidマーケットから更新してお使い下さい。(1/4)
  • アスパラプレミアム