Puppy Linux 4.3.1のHDDインストール 【GRUB編】
Live起動したPuppy Linux上でのOSのインストールに引き続いてGRUBのインストールを行います。
OSのインストール後に出る画面の【GRUBインストール/更新】をクリック。
更新かインストールかを聞かれるので【インストール】をクリック。
確認画面はこのまま【OK】。
インストール方法を選びます。再編集の手間を省くため【expert】を選択して【OK】。
インストールメニュー画面となります。【Begin】を選択して【OK】。
【Standard】を選択して【OK】。ここで800*600*256やPCの画面解像度などを選ぶと初回起動時のGRUB起動画面が真っ黒になります(実は真っ黒の画面でもEnter(jp106)>Enter(Xorg)>↓*3回+Enter(LCD 1024*768)>↓*1回+Enter(1024*768*24)など適切な選択操作を行えば起動可能です)。
【MBR】を選択して【OK】。
GRUBのインストール先を指定します。【準備編】に従い[/dev/sda2 ]と入力して【OK】。
再びインストールメニュー画面に戻りました。【Linux】を選択して【OK】。
GRUBの設定編集の対象として【/dev/sda3 〜 】のみにチェックを入れて【OK】。
PC起動時のOS選択メニューに表示させる名前をここで決めます。今回は[Puppy Linux 4.3.1 -FULL- ]として【OK】。なおこの名前は任意ですので別の名前でも構いません。
カーネル vmlinuz の場所を指定します。今回は既定の /boot/vmlinuz となるので空欄のまま【OK】。
GRUBへのオプション追加画面となります。特に追加はありませんのでこのまま【OK】。
再びインストールメニュー画面に戻りました。【Install】を選択して【OK】。
インストール中のメッセージが出ますのでこのまま待機します。
GRUBインストール成功のメッセージが出ます。これでHDDへのPuppy Linuxのインストール作業が完了となります。そのまま【OK】をクリックします。
起動フロッピー作成やGRUBインストール再実行の有無を聞かれます。インストール作業はすべて完了しているので【No】をクリックしてインストーラ画面を閉じます。
左下のメニューボタンから【シャットダウン】>【コンピュータを再起動】と進みPCを再起動させます。
自動的にCDが排出されますのでCDを取り出します。GRUBが立ち上がる前に再度BIOS設定画面を開き、ブート設定でHDDを一番目(1st Boot)に戻してからPuppy Linuxを起動してください。
初回起動時のみLiveCD起動と同様のキーボードとディスプレーの設定画面が出ます。適宜設定してください。
■PETパッケージ・マネージャ
Puppy LinuxではPETパッケージ・マネージャというパッケージ管理システムが採用されています。これによりユーザーそれぞれの用途に合わせソフトの導入や各種アップグレードが容易に行えます。
下のスクリーンショットはPETパッケージを利用したデスクトップテーマのカスタマイズの一例です。UbuntuやWindowsAeroにも引けを取らない綺麗なデスクトップ環境もPETを使って非常に簡単にカスタマイズすることができます。
このようなテーマの摘要が下記URLの【パピーリナックス用PETパッケージJWMテーマ】(パピーリナックス日本語版 HP内)などのサイトから簡単に導入できますのでぜひ試してみてください。
http://openlab.jp/puppylinux/jwmtheme.html
■インプレッション
今回のような低いスペックのPCでもWEB閲覧やメール送受信、画像処理や表計算などの一般的な利用において元のWindows MeやDebian GNU/Linuxと比較して非常に軽快な動作が実現されています。ただし残念ながらYouTubeをスムーズに再生するには根本的にSiS 630チップセットに内蔵のグラフィックスでは性能不足のようで大きくコマ落ちしてしまいました。これはPuppy LinuxのOSとしての問題ではなくPC側のハードウェア性能の問題です。ちなみにこの記事を書いているSONY VAIO GR-7E × Debian GNU/Linux(りなばいお君)のRadeon Mobility M6 LYでは基本画面サイズなら全くコマ落ち無く再生できました。YouTube再生を視野に入れるならグラフィックス統合型チップセットではなく専用GPUチップを備えたPCを用いることが望ましいのかもしれません。
総じてPuppy Linuxと10年前の普及価格帯PCとの組み合わせの場合、昨今のマルチメディア環境まで手を伸ばすのではなく、ごく一般的な利用用途を範疇とするならば極めて快適な環境を提供してくれるPCとして再構築できるものであるといえます。
Puppy Linuxに同梱されるソフトは、セキュリティソフトとしてウィルススキャナのclamavやXFPROT、ファイヤーウォールのLinux-Firewallが用意され、画像処理としてmtPaint、オフィスツールとしてAbiwordやGnumeric、WEBブラウザやメーラーにはSeaMonkeyなどがあり、一般的な用途としては必要充分以上のアプリケーションが初めから揃えられております。動作の軽いソフトを選んで取り入れれば目的に応じたカスタマイズも充分可能です。
古いPCを棚で眠らせているあなた、ぜひとりわけ快適な2台目のPCはいかがですか?
■関連リンク
・Puppy Linux 4.3.1で【りなめび君】完成?
・りなめび君、Debianに里帰り の巻。
・Puppy Linux 4.3.1のHDDインストール 【準備編】
・Puppy Linux 4.3.1のHDDインストール 【OS編】
・Puppy Linux 4.3.1のHDDインストール 【GRUB編】
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コメント
Puppy LinuxのHDDインストールに苦労し、情報を探し回ってこのサイトにたどり着きました。おかげさまでうまくインストールでき、快調に動作しています。ありがとうございました。
投稿: 岡田浩 | 2010.10.10 21:49
読んでいただいてありがとうございます。
お役に立てたなら私もうれしい限りです。Puppy Linuxは数あるLinuxの中でも特殊な部類に属すると思われますが、意外と隠れた人気を集めているようですね。
古いPCを再活用しようとしている人が思いのほか多いのかもしれません。ただ残念ながら確かに導入のための情報量はかなり少ないようです。
Puppy 5.0の日本語化も進められているようですが4.xまでとは仕様が大きく異なり難航しているようです。
新しい展開があればまた活用情報などを載せていきますのでぜひ今後ともよろしくお願いします。
投稿: あじ | 2010.10.13 00:02
ずっとCDにて動かしていたのですが、インストールの詳細を拝見しながら、やってみました。もちろんちゃんとインストールできました。感謝感謝です!!
投稿: fuku | 2010.11.17 19:37
読んでいただいてありがとうございます。
CD起動に比べればかなり軽快になったのではないでしょうか^^?
マシンの性能にもよりますがメモリ容量が小さい場合にはHDDフルインストールが最適ですね。
ともあれOSにもパーティション管理ツールとしてもインストーラとしても利用できるLiveCD、便利過ぎますよね^^
投稿: あじ | 2010.11.20 23:58
puppy linuxのインストールで大変参考になりました。
本当にありがとうございました。
投稿: かずま | 2011.02.12 23:42
読んでいただいてありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです。
Puppy 5.2の日本語版がもうすぐ出るようです。日本語化に特徴があるようなのでこちらで取り上げるつもりです。
またよろしくお願いします。
投稿: あじ | 2011.02.13 21:43
超初心者の私でもとりあえずインストールできました。ありがとうございました。
LiveCdではネット接続できましたが、Fullインストールではeth0さえ見つかりません。(ismodもyumも受け付けてくれません)
ハード的には問題ないでしょうか?
猛勉強が必要な様です。
投稿: まー | 2011.03.03 13:18
読んでいただいてありがとうございます。
ネットワーク コネクション ウィザードは実施されましたよね?
LiveCDでネット接続できたなら少なくともインストールCDの中にLANドライバは存在するはずです。
ターミナル画面でifconfig eth0を実行するとどんな応答が出ますか?
"UP BROADCAST RUNNING MULTICAST"と出ているなら何らかの挙動はあると思われますがどうでしょう?
投稿: あじ | 2011.03.05 22:36
あじ様、フォロー有り難うございます。作成したLiveCDのバージョンが違っていたらしく、こちらのサイトを辿ったものからDLし解決しました。順調に動いております お騒がせ致しました。
ただ 画面(文字)が滲んでいるように見えて、Windowsに比べて非常に見にくいですね・・・
Xorgでモニタの解像度に設定したのですが・・・・。
投稿: まー | 2011.03.08 17:56
解決してよかったですね!
確かに日本語フォントはちょっと褒められないレベルではありますね・・・。
この辺りは次のバージョンとなる5.2に期待したいところです。日本語環境そのものの仕組みも大きく変わるようです。
お使いのPCのCPUの種類やメモリー容量はどんな感じでしょうか?
Puppyはサポート期間内にある全てのWindowsや他のどのLinuxディストリビューションよりも動作が軽快ということが最大のメリットだと思います。
そのおかげで特にセキュリティ面において安心して旧世代のPCを利用できるわけです。ウィルス対策ソフトも常駐するタイプは不要です。
そういったメリットと、使い勝手やフォントなどの見栄えとを計りにかけて、一番納得できる選択をしていく事がキモかもしれませんね。
もし、お使いのPCの性能にある程度余裕があるようならDebianなど他の軽めのLinuxディストリビューションを試すのもいいかもですね。
既に試行済みだったらすみません。
投稿: あじ | 2011.03.09 06:14
簡単にインストールできるだろうと思ってましたが、なかなかできず
いろいろ調べているうちに当HPに辿り着けました。
無事インストールできました、ほんとにありがとうございました
投稿: もっちー | 2011.04.10 03:23
コメントありがとうございます。
Puppyはインストールも使い勝手も結構独特ですよね。
でもそのおかげでこの動作の軽さが実現されているのでしょうね。
使い心地はいかがですか^^?
投稿: あじ | 2011.04.12 23:32
はじめまして!
Linux入門者です。
Linuxなら古いPCも再活用できるときき、連休中悪戦苦闘してました。
メビウスPC-AL70F を使い、色々試してみました。
Ubuntu, centOS, vine Linux, …インストールCD焼いてみたものの受け付けず、
たどり着いたのがPuppy Linux・そしてこちらのサイトでした。
本当にわかりやすく、Xorg→Xvesa意外はまったく同じ推移でインストールできました。
また、来ますね。
本当にありがとうございます!
投稿: がお | 2011.05.05 20:56
読んでいただいてありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです。
Mebius PC-AL70Fですか。Puppyならかなりサクサク動くのではないでしょうか?
Ubuntuは無理としても、Debian 6.01辺りなら行けるかもですねぃ^^?
またいつかお役に立てるようのんびり更新していきますのでよろしく^^
投稿: あじ | 2011.05.05 21:51
大変、勉強になりました。クリーンインストゥールした時はうまくいったのですがその後XpをインストゥールしたらデュアルブートせずXpしか立ち上がらなくなりました。
MBRが書き換えられたと思い、再度、パピーをインストゥールしたのですが何故かXpしか立ち上がりません。どうしたら、デュアルブート出来るのか教えて下さい。
よろしくお願いします。
投稿: hasegawa | 2011.08.11 21:27
はじめまして。
このサイトを参考に、インストールしてみました~
いろんなサイトを回ってココが一番親切だと思いました。
でも、CDからしか起動できない~
なんでだろ???
ちゃんとHDDに読みに行ってるみたいなのに~
もう一回パーテーションからやり直してみます。
投稿: nia | 2011.10.06 14:03
出来ました!!!
昨日のあれはナンだったのか・・・・
本当に参考になりました。
ありがとうございました。
投稿: nia | 2011.10.07 16:32
HDDに無事インストール(成功表示)できたのに、
起動できません。Linuxは超初心者です。
PCは古いFMV-BIBLO(メモリ96MB,HDD1.6GB)に貴サイトの
説明どおりにインストールし、成功表示されました。
(ただしXvesa,frugalでインストール、他項目でインストール
すると不調でうまくできませんでした)
PC画面が正常状態でシャットダウンするとライブCDは排出され、
System haltedと出てカーソルがそのままとなります。
電源を強制切断し、再起動すると青い背景色の起動文字が
表示され、それに従いクリックしますが、起動できません。
どこを修正すえばよいでしょうか?
またPCが推奨環境より古すぎるのでしょうか?
投稿: かんちゃ | 2011.10.10 19:26
皆さま読んでいただいてありがとうございます。
返答が遅くなってすみません。
■hasegawa様。
>どうしたら、デュアルブート出来るのか教えて下さい。
残念ながら私はPuppyではデュアルブートは試したことがありません。Fedoraなど一般的なLinuxでのWindowsとのデュアルとは手法が違うようですね。他のサイト様でいくつか成功例が説明されているようですのでご参照されてみてはいかがでしょうか?
【Linuxメモ/Puppy Linux 3.01-jp を古い VAIO ノートに HDD インストール。】
http://kobuchicken.blog22.fc2.com/blog-entry-34.html
【晴れときどきカメラ/Puppy LinuxとWindowsXPを「NTローダで」共存させる】
http://kogosho.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/puppy-linuxwind.html
【つつみくんのLinux記その70(GRUBでデュアルブート)】
http://plaza.rakuten.co.jp/tutumikun/diary/200711140000/
■nia様
起動成功おめでとうございます!10/6の症状は何だったのでしょうかね?
ともあれ、お役にたてたなら嬉しいです。
■かんちゃ様
起動できないとの事ですが、その後いかがでしょうか?
>System haltedと出てカーソルがそのままとなります。
この状態はPuppyそのものは完全に終了しているのでPCの電源ボタンを押して電源を落としても大丈夫ですが、自動で電源が落ちるようにするには、ご利用のPC環境に合わせて幾つかの方法があるようです。
[1] /boot/grub/menu.lstをviで編集する。
kerne行の最後に acpi=force を追記して保存してみてください。
[2] BIOSの電源設定を変更する。
BIOSにPMS(Power Management Setup)の項目があれば、Soft-off by power button の項を instant-off としてみてください。
>青い背景色の起動文字が表示され、それに従いクリックしますが、起動できません。
青い画面はGURB画面と思われ、GRUB自体は立ち上がっているようですが、OSインストール場所の指定(当サイトでは /dev/sda3)やvmlinuzの場所の指定(当サイトでは /boot/vmlinuz)が正しくない可能性はないでしょうか? GRUBの再設定で解決できるかもしれません。
>PCが推奨環境より古すぎるのでしょうか?
Puppy Linux日本語版公式サイト様の動作実績ページではメモリー容量32MBや64MBで動作したとの報告もあります。ご利用のPCは96MBとの事で指定の動作条件以下ではありますが、動作は可能と思われますよ?ぜひ頑張ってみてください!
皆さま1年以上も前の記事にコメントいただき本当にありがとうございます^^
先日本家オーストラリアではWary Puppy 5.2が正式リリースされたようですが、本家最新版が多言語化するのはまだ先のようです。国内で日本語化を進めていただいている有志の皆さまに感謝!
投稿: あじ | 2011.10.17 01:12