サムスン電子は20日、スマートフォンの特許侵害をめぐる本訴訟判決で、米アップルに敗訴したことを明らかにした。
独マンハイム地裁は、サムスン電子が昨年4月にアップルを相手取り起こした訴訟で、アップルによる特許侵害はなかったとして、原告敗訴の判決を言い渡した。両社間の特許紛争で仮処分申請ではなく、本訴訟の判決が出たのは今回が初めてだ。
問題となった特許は、第3世代(3G)移動通信のデータ伝送効率を高めるため、複数のデータをまとめて、効率的に送信するための技術に関するものだ。同地裁は、アップルの機種にそうした機能があるのは事実だが、サムスン電子の特許ではなく、ほかの技術を利用していると判断した。
サムスン電子関係者は「今回の判決は残念な結果だったが、マンハイム地裁では特許侵害訴訟があと2件残っている。そのうち1件でもアップルによる特許侵害が認められれば、アップル製品の販売を差し止めることができる」と説明した。
サムスン電子は昨年4月、今回の判決で問題となった技術を含め、特許3件をめぐる訴訟を起こした。マンハイム地裁は今月27日に通信障害時にデータが壊れないように保護する技術、来月2日にはデータ伝送時のエラーを減らすための技術に関する特許について、本訴訟判決を下す予定だ。