白煙が上がる火災現場。影響で京浜東北線などがストップした=21日午前9時11分、東京都北区、朝日新聞社ヘリから、樫山晃生撮影 |
21日午前5時50分ごろ、東京都北区王子1丁目の飲食店街で、木造2階建ての店舗兼住宅から出火し2棟(延べ約620平方メートル)が全焼、近くのJR京浜東北線の高圧ケーブル3本も燃えた。JR東日本によると、この火災の影響で、首都圏を貫く京浜東北線のほか、高崎線や東北線などが約5時間にわたって運休し、22万人以上の足に影響があった。
警視庁王子署によると、この火災で、63〜87歳の男女4人が煙を吸い込むなどして病院に搬送され、うち74歳の女性が一酸化炭素中毒などで重症。ほか3人は軽いけがという。現場2階の部屋で住人の女性(23)が電気ストーブを使用中に寝込んでいたところ、布団に引火したという。この女性が近くの交番に駆け込み通報したという。
JR東日本によると、京浜東北線と高崎線、東北線の一部区間は午前11時4分に運転を再開。湘南新宿ラインの大宮―大崎間はその後も運休が続いた。線路に並走する信号ケーブルや送電線の一部が損傷したため、復旧に時間がかかったという。新幹線の運行には影響はなかった。
都電荒川線も約2時間半、一部区間で運転を見合わせた。
現場は、JR王子駅近くで十数軒の飲食店が立ち並ぶ、「さくら新道」と呼ばれる路地の一角。午前11時を過ぎても消火活動が続いた。現場前の線路沿いの電線はカバーがただれ落ち、中のワイヤが一部露出。線路上では、作業員が架線の部品を交換するなどの復旧作業に当たった。