「必ずもうかる」と未公開株などの金融商品の購入を持ち掛けて、現金を振り込ませる詐欺で、兵庫県内の昨年1年間の被害総額が10億円を超えたことが、兵庫県警のまとめで分かった。全国の都道府県警と比べても警視庁に次いで2番目に多く、県警は注意を呼び掛けている。
県警生活安全企画課によると、昨年1年間の被害は102件で、被害総額は約10億2千万円。全国で最も多かった警視庁の約11億1千万円に次ぐ被害が出た。被害件数も全国で3番目に多い。
8割以上が未公開株などの金融商品の購入を持ち掛ける手口。昨年6月には、神戸市内の80代の無職女性が、「販売価格が何倍にもなる」などと言われ、社債や未公開株を十数回にわたり購入。計1億500万円をだまし取られている。
被害者の半数以上は神戸・阪神間に集中し、7割以上が65歳以上の高齢者。過去に株を購入したことがある人や、株で損失を出したことのある人が狙われる傾向にあり、「損失を取り返さないか」と持ち掛けられるという。
県警は「必ずもうかるということはありえない。不審に思ったら相談してほしい」と呼びかけている。(山下智寛)
(2012/01/21 07:18)
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