'12/1/20
檜皮採取進む 岩国の国有林
国宝や重要文化財などの檜皮(ひわだ)ぶき屋根の修復に使うヒノキの皮の今シーズンの採取が、岩国市横山の城山国有林(44ヘクタール)で進んでいる。原皮師(もとかわし)と呼ばれる全国社寺等屋根工事技術保存会(京都府)の6人が2月3日までに約1・5トンを採取する。
城山は近畿中国森林管理局から山口県内では唯一、檜皮採取の指定を受けている。10日から始まった作業は樹齢80年以上のヒノキが対象。メンバーは木と体にロープを巻き付け、木を登る。木製のへらを表皮に差し込み、木を傷つけないよう幅約15センチ、長さ約3メートルを目安に剥ぎ取っていた。檜皮は各自がそれぞれ所属する事業所に持ち帰り、半年間乾燥させて使う。
全国的に不足する檜皮と、原皮師の育成が目的。同保存会指導員の平野裕也さん(30)は「岩国の木は檜皮が薄く加工しやすく、良い製品になる」と話していた。
【写真説明】丁寧にへらを差し込み、檜皮を剥がし取る職人