“国認定範囲外でも黒い雨”
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“国認定範囲外でも黒い雨”

1月20日 23時47分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

原爆投下直後に降った放射性物質を含む「黒い雨」が、国の認定よりも広い範囲で降っていたとする広島市の調査結果について、厚生労働省の検討会が設けた作業部会は、「降った範囲の確定は難しい」としながらも、「国の認定範囲の外でも、黒い雨を体験した住民が存在した」とする報告書をまとめました。検討会は引き続き調査結果の検証を進めることにしています。

広島市は、原爆投下直後に放射性物質を含む黒い雨が、国が援護の対象としている地域のおよそ6倍の範囲で降った可能性があるとする調査結果をまとめ、国に対象地域を広げるよう求めています。厚生労働省の検討会が設けた作業部会は、広島市の調査結果を分析した報告書を提出しました。それによりますと「データは数が少なく60年以上前の記憶が基で、正確さが明らかでない」として黒い雨の降った範囲の確定は困難という判断を示しました。ただ、報告書では「国が認定した範囲の外でも一部の地域では黒い雨を体験した住民が高い割合で存在した」とも指摘しました。厚生労働省の検討会は、作業部会がまとめた報告書などを踏まえ、広島市の調査結果の検証作業を進めることにしています。広島市原爆被害対策部の漆原正浩調査課長は、今回の作業部会の報告について「黒い雨がどこまで降ったかという線引きはされなかったが、援護対象の地域外で降っていないという結論にはなっておらず、広島市の結論が否定されたわけではないと受け止めている」としたうえで、「援護対象の地域外でも黒い雨を体験したという人が高い割合で出ているので、検討会にはこの結果を冷静に受け止めてもらいたい」と話していました。