生活保護制度における外国人の取扱い質問主意書
(第179回国会 衆議院 2011/12/16)
平成二十三年十二月七日提出
質問第一〇二号
提出者 佐藤ゆうこ
生活保護制度における外国人の取扱いに関する質問主意書
生活保護法は本来、日本国民を対象とするものであるにもかかわらず、被保護人員の中には多くの外国人が含まれる。そこで、生活保護制度における外国人の取扱いについて、質問する。
一 外国人被保護世帯及び被保護人員について、国籍別、在留資格別の直近の数値を示されたい。
二 外国人被保護世帯の保護にかかる総費用並びに国及び地方それぞれの負担額について、直近の実績値及び平成二十四年度概算要求における金額を示されたい。また、平成二十四年度概算要求における積算根拠も示されたい。
三 外国人に対する生活保護は、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」(昭和二十九年五月八日、社発第三八二号、厚生省社会局長通知)に示された考え方に基づいて実施されていると承知している。第一七一回国会における「参議院議員加賀谷健君提出外国人の生活保護に関する質問に対する答弁書」(答弁書第一九八号)において、政府は、この通知は現在も有効と答弁している。この通知の有効性とはどのようなものか。法的な位置付けを示されたい。
四 外国人に対する生活保護は、実施機関である地方自治体の自治事務として実施されていると承知している。三の通知が有効であるにしても、その通知に従う必要はあるのか。実施機関の判断によって、外国人に対する生活保護の準用を行わないことは可能か。
右質問する。
平成二十三年十二月十六日受領
答弁第一〇二号
内閣総理大臣 野田佳彦
衆議院議長 横路孝弘 殿
衆議院議員佐藤ゆうこ君提出生活保護制度における外国人の取扱いに関する質問に対する答弁書
一について
世帯主が日本の国籍を有しない者であって生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)に基づく保護に準じた保護を受けている世帯(以下「外国人被保護世帯」という。)の数については、平成二十一年七月一日時点において、その世帯主の国籍が、韓国又は北朝鮮国籍の世帯が二万四千八百二十七世帯、フィリピン国籍の世帯が三千三百九十九世帯、中国国籍の世帯が三千三百五十四世帯、ブラジル国籍の世帯が九百三十九世帯、ベトナム国籍の世帯が五百三十五世帯、アメリカ国籍の世帯が九十五世帯、カンボジア国籍の世帯が五十九世帯、その他の国の国籍の世帯が千八百二十七世帯となっている。外国人被保護世帯の世帯主の有する在留資格別の世帯の数並びに外国人被保護世帯に属する者の国籍別の数及び在留資格別の数については、把握していない。
二について
外国人被保護世帯の保護に係る総費用並びに国及び地方公共団体の負担額の実績については、把握していない。また、厚生労働省においては、平成二十四年度予算概算要求に当たって、外国人被保護世帯とその他の生活保護受給世帯の保護に係る費用を区別していないため、外国人被保護世帯の保護に係る費用及びその積算根拠については、お答えすることはできない。
三について
お尋ねの通知は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項に規定する技術的な助言として有効である。
四について
お尋ねの通知は、地方公共団体に法的な義務を課するものではないが、厚生労働省としては、一定の外国人に対し、人道上の観点から、生活保護法に基づく保護に準じた保護を行うという本通知の趣旨に鑑み、地方公共団体に本通知の内容に沿った取扱いをしていただきたいと考えている。
韓国・朝鮮籍 24,827世帯
フィリピン籍 3,399世帯
中国籍 3,354世帯
ブラジル籍 939世帯
ベトナム籍 535世帯
アメリカ籍 95世帯
カンボジア籍 59世帯
その他 1,827世帯
平成21年(2009年)7月1日
どこかの自治体が問題を論争化するために、「支給対象の見直し検討」とでも言いだしてしてくれないかな...