府保健環境研と市衛生環境研が検査機器相互利用 二重行政解消へ
京都府と京都市は、業務が重複する府保健環境研究所(伏見区)と市衛生環境研究所(中京区)を将来的に近接地に建て替え、高額な検査機器や研究試薬などを相互利用していくことで合意した。来年から所員の技術交流研修や調査結果などの共有を進め、引き続き府市で建て替え場所を検討する。
両研究所の連携協議は、府市の「二重行政」解消策の一つとして11月に始まった。保健福祉担当者が現施設や重複する業務の課題を出し合い、今後の連携の在り方をまとめた。
それによると、現在の体制でも住民向けの保健衛生セミナーや職員研修の共催、土壌や食材の検査機器の共用などは可能だが、いずれも施設が築30年以上経過しており、施設の耐震性に課題があると指摘した。「(双方を)近接地に建て替えることでより連携が可能になる」とした。
具体的には、使用頻度が少ない高額な機器や試薬を「共同研究室」に配置し、双方の費用負担を抑えながら共同研究を可能にするほか、新型インフルエンザの発生時などに情報収集や検査分析の応援体制を確立するとしている。
当面は、情報や既存機器の共同利用などの連携を深める予定で、市生活衛生課は「財政状況を考慮しながら、建て替えに向けた協議を進めていきたい」としている。
【 2011年12月30日 18時36分 】
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