2007年2月11日、日曜日 ここから全てが始まった

テーマ:風俗のお仕事 2010年01月28日(木) 23時40分00秒

彼と初めて出逢った時、私は、デリヘル嬢 はづきだった。



入店して、2回目の出勤の日…



入店して、2人目のお客さま…




2007年2月11日、日曜日のことだった。




私が在籍するお店は、車でホテルまで送り迎えしてもらう一般的な形ではなくて、


お客さまが指定した主要の駅で待ち合わせするシステムになっていて、

自分で列車に乗ってお客さまの元へ移動をする。


一週間前から予約ができるようになっていて、


その日の予約も、わりと早い段階で入っていたと思う。


専用のサイトで、予約状況を確認すると、


はづきさん
2007年2月11日(日)
230分コース
(13時~16時50分)
〇万〇千円
〇〇駅
おおい様
090ー〇〇〇〇-〇〇〇〇
オプション

○○○○

○○○○



初めて会うのに、230分のロングコースの予約が入っていて、

おおいサマ…



どんな人なんだろう??



ちょっと不安だった。




〇〇駅までは、特急列車で30分くらい。


列車に乗る前に、お客さまのケータイに非通知で直接電話するのがお店の決まりで、

ホームのアナウンスが鳴り響く中、私は12時30分前に電話をかけた。


「もしもし…おおいサマですか…?

はづきですけど…

こんにちは~

今から特急に乗るので、

13時くらいに着きそうです…

着いたらまた電話しますね。」



自分のテンションを上げるため、精一杯、明るい声で話した。



初めて聞いた、電話越しのその人の声は、力強くて、でもやさしかった。




日曜日ということもあって、特急の自由席は、ほぼ満席状態だった。



席が空いていたので、通路側に座って、待ち合わせの駅まで向かった。



その日は、18時までの出勤予定にしていたので、お仕事はこの1本だけ…。



おおいサマが支払う金額は、結構な額で、その日の自分のお給料のこととか、


230分という時間、どう過ごすのかな?とか、


これから借金のために頑張っていかなくちゃいけないなぁとか……



そんなことを考えているうちに、○○駅に着いた。



○○駅は、特急が止まるくらいだから結構大きな駅で、何本かの路線が集結していることもあって、


下りる人も結構多かった。



初めて下りた○○駅。


 

名前は知っていたけれど、私には全くゆかりのない駅だった。




えーっと…


改札口を出るには…


まず階段を下りなくちゃいけないのか…


ってゆうか、今何分だろう??




私は、バックからケータイを取り出した。



ホームの数十メートル先に、大きな階段が見えた。



その方向に向かって歩きだした時、私の視界の先に、一人の男性が…



40代半ばくらいの、眼鏡をかけた、細身の身体にピシッとスーツがきまっている男性…



それぞれ、特急に乗り込む人や、私と同じく階段に向かって歩いている人がほとんどの中、



その男性だけは、発車目前の特急に乗り込む様子もなく、こちらのほうを見ている。




なんか…私、見られてる!!




私は、街を歩いていると、キャッチかナンパかよくわからない男の人に声をかけられることが多くて、



だから、姿を確認した瞬間、


あ~、あの人に声かけられる


っていうのがなんとなくわかるようになっていた。



そして、今、目の前にいる男性も、私に声をかけてきそうな気配!!



私は焦った。




どうしよう…こんなに人がいっぱいいる中で、恥ずかしい!


それに私は、今からお客さまの所に行かなくちゃいけないのに!!




心の中でそう思っている間も、二人の距離はどんどん近づいてくる。



そして、男性が私のすぐそばまで来た時、


思いもよらない言葉が聞こえてきた。




「はづきさん…ですか…??」




えっ!?



どうして!?



どうしてこの人が私の名前を知ってるの~??




私は、一瞬パニック状態になった。




そう、今まさに声をかけてきた男性こそ、彼本人だった。




彼は、私の顔は知らないけれど、私の身長、髪の長さ、髪の色、雰囲気はHPの写真を見て知っていて、


しかも私が列車から下りるや否やケータイを取り出したから、私がはづきだと確信を持って、声をかけてきたらしい。




私は、まさかおおいサマがホームまで迎えに来てくれているとは夢にも思わなかったので、


本当に衝撃的で、本当にビックリしたのを覚えている。



風俗嬢とお客さまという関係なのに、なんだかすごく大事な扱いをしてくれているように感じて、うれしかった。




あの出逢いの日から今まで、途中デリヘル嬢を辞めていた時期もあるけれど、ホームまで出迎えてくれたお客さまは、彼一人だけだった。




私は、あの日のことを鮮明に覚えてる。



二人が出逢った瞬間の彼の表情、彼の声、彼の雰囲気…



時々、あの時のことを二人で話すことがあるけれど、悲しいことに彼は緊張していてほとんど覚えていないと言う。



あの日がなかったら、今の私、今の彼、今の私達はいないから、


本当に本当に大切な日…。



一生、忘れることはないと思う。



2007年、2月11日、日曜日、ここから、二人の全てが始まった。



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