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■おだやかに謳い、戦略はしたたか
労組などが組織する“正統的”なデモが力を失うと、反イラク戦争を契機に2003年ごろからサウンドデモが盛んになった。バンドやDJを乗せたサウンドカーが盛り上げ、音楽好きの若者らをひきつけた。しかし警察の警備も厳しさを増し、昨年9月は10人以上が逮捕される事態も。
「最初はサウンドデモに参加して面白かった。でも原発は命の問題。祝祭じゃだめなんだ」(空間プロデューサーの竹中亮さん)、「サウンドデモを批判しているのでなく、私たちは今までなかった部分で攻めていきたい」(宮越さん)。主要メンバーがそういうツイッターデモは、「おだやかデモ」と自ら謳(うた)う。
ただし戦略はしたたかでもある。「サウンドデモは、警察への挑発など悪い意味でのパンクス魂が出てしまう。デモに行くと逮捕されるという間違った先入見を与えた。僕らは負担の大きいミーティングなしに、スタッフ間のメーリングリストやツイッターでの告知、ネットプリント(コンビニでプラカードをダウンロード)などで十分にできる、デモのインフラ作りをしている」(bcxxxさん)。すでに神戸で同じ方式のデモが4回あり、福岡と浜松でも近く始まる。29日には渋谷で8回目のデモがある。(近藤康太郎)