専門家“格納容器健全性評価を”
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専門家“格納容器健全性評価を”

1月20日 19時27分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所で、メルトダウンを起こした2号機の格納容器の内部を、内視鏡で撮影した動画が初めて公開されました。動画を見た、原子炉プラントに詳しい法政大学の宮野廣客員教授は、「配管などの構造物に目立った損傷は見られないが、格納容器の鉄製の内壁が赤くさびて、腐食が進んでいるので、今後、燃料の取り出しなど、廃炉に伴う長い作業に向けて、格納容器の健全性を評価しておく必要がある」と述べました。そのうえで、「配管に付着しているさびは、原子炉内から出た高い線量の放射性物質が含まれているので、将来的に除染が課題になるだろう」と指摘しています。

また、格納容器の内部で水滴が雨のように落下しているとみられることについて、「冷やされた湯気が水滴として落ちているだけではなく、核燃料の冷却のために原子炉に注いでいる水が、損傷した部分から漏れ出て、構造物を伝って落下しているのではないか」と分析しています。一方、格納容器の中にたまっている汚染水の水面の高さが確認できなかったことについて、「内部の温度が45度前後とそれほど高くないことから、核燃料は水をかぶって冷やされていると推測できる。今後、内視鏡を長くするなど改良して、水面の高さを確認することで、燃料の状態や水が漏れている部分を特定する必要がある」と指摘しています。