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汚染コンクリ首都圏直撃

2012年1月20日(金)10時0分配信 日刊ゲンダイ

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<道路工事のたび放射能を気にするハメに>

 放射能汚染コンクリート問題が拡大の一途だ。福島・二本松市の新築マンションは、あくまで氷山の一角。すでに首都圏まで流通していると見るのが妥当である。

 汚染コンクリ材料の砕石を出荷したのは、「双葉砕石工業」(富岡町)。保管先の浪江町が計画的避難区域に指定された昨年4月22日まで、約5200トンを県内の計19社に出荷していた。

 出荷先のひとつ、「あだたら生コン」(二本松市)が問題のマンションの基礎部分を製造。双葉砕工は別の生コン1社とも取引があり、この2社を通じてだけでも、県内約200社の建設会社などに汚染コンクリが出回ったとみられる。

「生コン業者は、加盟組合ごとに販売網が区切られており、汚染された生コンの流通は県内の一部地域に限られます。むしろ怖いのは、生コン以外に加工されたケース。住宅塀に使うコンクリートブロックなどは、全国の広い範囲に流通しています」(福島県内の砕石業者)

 問題を受け、政府は避難区域全体で取れた砕石の流通ルートの調査に追われているが、その作業は困難を極める。

 問題の砕石は、浪江町の採石場の屋外で保管されていた。浪江町は県内有数の採石場で、双葉砕工以外にも同業十数社が同じ現場で砕石を保管。採石場は近隣にも多数点在し、避難区域に保管庫を構える業者は30社以上に上る。さらに取引先はネズミ講のように無数に枝分かれするのだ。

 しかも、民間の信用調査機関のデータによれば、都内に本社を構える取引先がゴロゴロと出てくるのである。

「浪江町では質の高い御影石が採れます。御影石は高級マンションのキッチンや洗面所、バスルームのほか、リビングやエントランスの床にも用いられます。原発事故以降、首都圏の新築マンションに知らずに汚染された石材が紛れ込んでいたって不思議ではない」(ディベロッパー関係者)

“汚染石”は、道路舗装のアスファルトにも使われている。今後は近所で道路工事が始まるたび、汚染を気にしなければいけないのか。双葉砕工の役員は「行政などから指導があれば出荷はしなかった」と“恨み節”を口にしていたが、つくづく政府の怠慢は万死に値する。

(日刊ゲンダイ2012年1月17日掲載)







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