口コミサイトの「やらせ」問題は、「食べログ」から「Yahoo!知恵袋」へと広がりを見せている。ある飲食店が同サイトに好意的な内容を投稿するよう業者に依頼したといった報道が16日にあった。
一連のやらせ問題の発覚後、口コミを装って消費者をだますような手法の「ステルスマーケティング」はテレビのワイドショーにも取り上げられ、略称の「ステマ」がネット関係者以外にも広く知れわたるようになった。それにより、口コミが何もかもステマと呼ばれたり、口コミそのものを批判したりする報道もみられる。このままでは、ネット上での情報発信がすべて疑惑の対象になってしまう。信頼性を高めるためには、正しい口コミのあり方を理解する必要がある。
■フェイスブックに書き込むと「それステマ?」
「Yahoo!知恵袋」でもやらせ投稿の報道があるなど、「口コミ」の信頼性が揺らいでいる
「それステマ?」「お店からいくらお金をもらえるの?」。筆者の友人が「フェイスブック」に書き込んだ飲食店の情報に対し、こんな書き込みがあった。友人はランチでの打ち合わせに初めて利用した飲食店が気に入り、共有しようとフェイスブックに投稿していた。ステマという書き込みは冗談かもしれないが、発言を疑われたのはショックだったようだ。
「おいしい」「雰囲気がいい」「店員の親切に触れた」といった感動や良い体験をすると、友人や家族に伝えたくなることがある。その自然な気持ちから生まれるものが口コミだ。しかし自分が何を言ってもステルスマーケティングとして疑われるならば、もはや何も発言できなくなる。友人のフェイスブックで起こったように、何もかもがやらせかもしれないと疑われる社会が到来しかねない。
このような状況になると、ソーシャルメディアが存在する基盤がなくなってしまう。「いい情報を共有していこう」「集合知(多数の人々による意見集約)ではなくて、友人知(友達からの意見)が大事」という議論も意味をなさない。会話の信頼性は、ソーシャルメディアはもちろん、社会を成り立たせる大切な要素なのだ。口コミ自体が悪いわけではない。
それに口コミゆえの情報の不確かさはネットであろうとリアルであろうと残る。不確実な口コミを批判する報道もあるが、そもそも口コミはそういうものだ。友人からの意見であろうと、情報の受け手側がチェックするのは当然だ。
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