July 15, 2008

写真撮影勉強会 〜憧れのデジタル一眼レフ

写真撮影勉強会人生いろいろあって、更新が疎かになってしまいました。エンリケとジューン滞在中の覚書を続けます。

エンリケとジューンがウチに来る際、写真撮影のレクチャーを強く希望していました。しかし私も人様に教えるほど巧くも詳しくもありません。そんなわけで一緒にいろいろと試して勉強することにしました。

勉強会といっても、私がいつも撮影している方法を見せるだけです。私はどこかでカメラを学んだ経験はなく、ミゲルとルシアーノに習ったことが全てで、それを基礎に自己流でずっと写真を撮ってきました。そんなわけで自分の方法が正しいとか判らないので、こういう機会に良いアドバイスを得られればと思っていたのですが、写真撮影に関しては彼らは私以上にアマチュアでした。

エンリケは写真に関しては全くの素人、ジューンは高価なカメラを持ってはいますが、画像作りが良くわかっていないようでした。シャッターを切るのを急ぐのです。(模型)写真は偶然撮影されるものではなく、撮影者のイメージに基づいて光を作り、それをカメラに写し込むことで作られるのです。

それで私の知っている限りで、背景シートや照明セットの使い方や、カメラの設定を彼らに教えます。私の写真撮影についての基本的な考え方は、「カメラを使って自分が良い写真を撮る」のではなく、「(良い環境を作って)カメラに良い写真を撮ってもらう」ことです。カメラはシャッターを押せば、とりあえず誰でも写真が撮れます。良い写真とそうでない写真は、シャッターの押し方がどうのこうのという問題でないことは誰にも明白でしょう。良い写真を撮るためには、カメラが一番良い写真が撮れるよう、カメラにとっての良い光の環境を作ってやることが最も重要であり、カメラにとって良い環境を作る試行錯誤が、写真撮影そのものなのです。

前にも書きましたが、私の考える良い模型写真は、こういう写真です。

1. 作品の全ての部分に広くピントが合っている
2. 適度な陰影でモノとしての形状がよく判る
3. 影は弱めで、影の部分のディティールも完全に確認できる
4. 色彩が自然
5. 表面の状態が確認できる程度に、画像に十分な大きさがある

このような画像を目指して、撮影したら大きなパソコン画面で画像を確認し、それでまた設定を変更してまた撮影。勉強会はこれの繰り返しです。撮影してすぐ結果を確認できるのが、デジカメの最大のメリット。前は写真屋さんに出さねばなりませんでしたが、今では(プリントしない限り)全てを自宅で行えるのです。本当に良い時代になりました。

Nikon D300ジューンは羨ましいことにニコンの最新高級機種D300を持っていて、今回使わせてもらいました。韓国での購入価格は20万円以上だったそうですが、さすがに凄いカメラでした。

D300で撮影された画像は、年代モノの私の愛機キャノンG3よりも立体感を感じます。またレンズが大きいので暗い部分の光もより多く集めることができるようで、割と短いシャッタースピードでも暗い色がつぶれません。また撮影した画像は肉眼で見るよりもはっきり鮮明に写るので、なんだか目が良くなったような気がします。

さらに高級カメラと廉価カメラの最大の違いは、その動作スピード(連写速度)にあります。このデジカメは有効画素数1230万画素、JPEG圧縮画像サイズで一枚5MB程度もある大きな画像データを、瞬時にメモリカードに転送可能で、フィルムロール使用のカメラに遜色ない連写速度を持っています。

一番手前にピントを合わせると、ピントの合う範囲が大変狭くなりますまた一眼レフなので、ファインダーから画像を直接確認できます。これは言うまでもなく一眼レフカメラの最大のメリットで、ファインダーを覗きながらレンズを回して、ピンの位置を自分で探ることができます。

一方、G3だと小さな液晶を見ながら、コリコリとダイヤルを回してピンを動かすのですが、正直かなり不便です。この不便さは特に私の場合、特撮画像撮影の場合に顕著でして、暗いところで撮影していると、一体どこにピンが合っているのかパソコン画面で確認するまで判りません。殆ど手探りでやらねばならないのです。

真ん中にピントを合わせます。ピントの合う範囲が広がりました。D300はファインダーが付いているだけでなく、ボディについている液晶画面も、私のデジカメのよりずっと大きくて見やすいです。やはり高級カメラは値段が高いだけのことはあって、何から何まで優れているんですね。

しかし、こと模型撮影に関しては、正直なところ非常に扱いにくかったです。特に大問題だったのが、模型撮影で欠かせない接写撮影でした。このD300は元々付属している純正汎用レンズでの撮影だと、接写できる最短距離が(G3に比較して)かなり大きいのです(ピントを合わせるために被写体から離れなければならない)。この組み合わせでは、模型撮影に必須の接写には全く向きませんでした。

一番後ろにピントを合わせると、レンズからの距離が遠くなり前の2体も概ねピントが合います。しかしこれでは接写になりません。模型を接写すると、歪みは大きくなりますが、あたかも実車の近くにいるような臨場感が出て、迫力ある画像になります。模型写真はモノとしての形を正確・鮮明に伝えられる、離れたところからの最大ズーム写真が基本ですが、イメージ映像としては接写の方がよりカッコイイ写真が撮れるのです。

D300だと(というか大型一眼レフカメラだと)、レンズ先端からCCDまでの距離が長いため、それだけピントを合わせるのに必要な最短距離が長くなり、被写体からかなり離れないとピントが合わないようです。これで模型撮影するためには、接写用レンズの購入が必須となるでしょう。高価なカメラはレンズも高価なので、結構な出費が予想されます。

Canon Powershot G3ジューンのカメラD300を使ってみて判ったのは、高級カメラだからといって何でもできるとは限らないということでした。勿論これはどんな写真を撮りたいかにもよりますが、接写が多い模型写真の場合は、大型カメラよりも、レンズ-CCD間の距離が小さい小型カメラの方が明らかに有利です(それでかつレンズ径が大きければ最高)。このことはこれまでも頭では判っていたつもりなのですが、実際ジューンのD300を使ってみて実感しました。

ずっと高級なデジタル一眼レフカメラに憧れを持っていましたが、今回は使ってみなければ判らない不便さを知る、たいへん貴重な機会になりました。SHiGE


この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/marutake_shige/51096816
この記事へのコメント
-----------------------------------
このご連絡は当社個人情報保護方針
(http://www.willvii.co.jp/privacy.html)に則り、
下記モノフェローズ制度のご説明を目的として行っております。
問題がありましたら、個人情報、苦情相談窓口責任者へ
お寄せいただきますようお願いいたします。
(なお、万一弊社からの連絡が重複しておりましたら、ご容赦ください)
-----------------------------------

こんにちは。
私は「みんぽす」という家電とゲームレビューサイトを運営しております、WillVii株式会社の藤井と申します。

弊社ではサービスの一環として、優秀なブロガー様に対して大手家電メーカーやゲームメーカーの商品を貸し出し、自由にレビューを書いて頂くというサービスを無償で行っております。
(サービス詳細:http://www.minpos.com/info/monofellows.html)

さらなるネットワークの拡大のために優秀なブロガー様を探しておりましたところ、こちらの記事を拝見させて頂くこととなりました。
幾つかの記事を拝見しましたが、大変興味深い記事を多数掲載されており、この方は優れたレビューを書いて頂けるブロガー様だと確信し、失礼かと思いましたが、コメント欄よりご連絡させて頂いた次第です。

弊社では商品に関する率直なご感想を制約なく記載頂くことが可能です。また、お貸し出しする商品につきましてはご希望・ご都合に沿ってご本人様がご選択いただけるようになっております。

もし弊社サービスにご興味をお持ち頂けるようでしたら、詳しいご説明をする機会をいただけないでしょうか?
ご検討をよろしくお願いいたします。

なお、ご返答頂く際は大変恐縮ですが
jp-mofe@minpos.jpまでメールでご連絡頂ければ幸いです。

_____________
WillVii株式会社
モノフェローズ事務局 藤井
E-mail: jp-mofe@minpos.jp
Posted by 怜奈 at January 14, 2009 19:28