国際「うるう秒」当面は存続 廃止でずれは100年で90秒に拡大 2012.1.20 11:07

  • [PR]

国際

  • メッセ
  • 印刷

「うるう秒」当面は存続 廃止でずれは100年で90秒に拡大 

2012.1.20 11:07

 【ベルリン=宮下日出男】地球の自転速度に合わせて標準時刻を調整するため、数年に1度、1日を1秒長くする「うるう秒」が当面、存続することになった。情報技術の高度化で廃止論が出る中、スイス・ジュネーブで19日に開かれた国連の専門機関、国際電気通信連合(ITU)の無線通信総会が廃止の提案の採決を見送ったためだ。

 原子時計を基にしている現在の世界共通の標準時刻(協定世界時)と、かつての標準時刻で地球の自転1回を1日とする「天文時」とはずれが生じている。自転速度が不規則であるためで、うるう秒はずれが0・9秒以内となるように1972年から導入され、これまで24回実施されている。

 しかし、うるう秒はうるう年と異なり、挿入される時期が不定期でもあることから、コンピューターの誤作動の懸念などが指摘されてきた。原子力時計を使っている全地球測位システム(GPS)にはうるう秒は適用されておらず、混乱の原因にもなりかねないとの意見もある。

 総会では廃止論を唱える米国やフランス、日本などに対し、グリニッジ天文台を持つ英国や中国、カナダが存続を主張し、採決には至らなかった。議論は今後も続くが、廃止の場合も正式決定は2015年の総会に持ち越される。

 うるう秒が廃止されると、ずれは100年で90秒に拡大し、遠い将来には正午なのに日がまだ昇らないといった状況も想像される。

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2012 The Sankei Shimbun & Sankei Digital