民主党の輿石東幹事長は19日、国会内での与野党幹事長・書記局長会談で、消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革を巡る与野党協議を申し入れた。しかし、野党側は「密室で議論すべきでない」(自民党の石原伸晃幹事長)などと拒否。藤村修官房長官は同日の記者会見で、3月中に消費増税法案を国会に提出する方針に変更はないと表明したが、政府・与党が目指す法案提出前の協議入りは難しく、早くも暗礁に乗り上げている。
輿石氏は会談で、一体改革や国会議員定数削減を含む衆院選挙制度改革について与野党協議を要請した。各党は中断している衆院選挙制度改革に関する協議会の再開で一致。国家公務員給与削減や郵政改革法案などについては、従来の実務者レベルでの協議を続ける。
石原氏は一体改革について「国会に(法案を)提出した後に議論しよう」と表明。公明党の井上義久幹事長は「社会保障の全体像を示すべきだ」と政府・与党の一体改革の素案では不十分との認識を示した。他党も非公式協議ではなく、国会で議論するよう求めた。
一体改革の与野党協議を巡り、輿石氏は「(協議の)環境整備をしつつ、同時進行的に国会でも議論する」と述べるにとどめ、野党側には「与党は(法案提出前の)事前協議をあきらめた」(自民党の岸田文雄国対委員長)との認識が広がった。会談後、民主党の樽床伸二幹事長代行が急きょ記者会見し、「事前協議しない、ということではない」と釈明するなど対応に追われた。【青木純】
毎日新聞 2012年1月19日 21時07分(最終更新 1月20日 0時23分)