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【大相撲】

把瑠都 変化 きょうにも初V

2012年1月20日 紙面から

◇初場所 12日目(19日・両国国技館)

把瑠都(右)がはたき込みで稀勢の里を破る=両国国技館で

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 把瑠都−稀勢の里は今場所の注目の一番だが、把瑠都は連勝を途切れさせたくない強い気持ちが、初めて変化技に出た。

 左へ変わる。まっすぐにきた稀勢の里の首の後ろに両手を置き、一瞬のはたき込み。勝負のタイムが1秒0。稀勢の里が土俵中央で腹ばいになった。この瞬間、両国国技館は、お客さんの一部が把瑠都を目がけて「帰れ」「帰れ」の厳しいヤジが飛び、座布団が舞った。期待を裏切る相撲にファンの怒りが頂点に達したのだ。

 支度部屋に戻ってきた把瑠都は立ち合いを説明した。「(先に)稀勢の里がついて待っていた。自分もなかなか手をつけないから、何でと思ったが、体が勝手に動いた」。いつもより仕切り線が後ろだった。「(自分の)力が下半身に入っているから緊張した。何も迷いはなかった」と悪びれず言う。

 さすがに把瑠都も反省していた。「ファンのみなさんが見に来てくれて申し訳ない」と頭を下げた。しかし怒ったのは、お客さんだけではない。中村審判部副部長(元関脇富士桜)も怒り心頭だった。横綱白鵬も日馬富士に簡単に送り出されて余計しらけたムードが漂った。打ち出し後、中村副部長は「看板の2枚がああいう相撲じゃあ、お客さんも怒るよね」。

 把瑠都の相撲について、放駒理事長(元大関魁傑)は「勝負だからしょうがないが、まともにぶつかっていってほしかった。注目の相撲があれでは興ざめ」と残念がる。

 優勝争いで2差がついた。きょうにも優勝が決まる可能性がある。エレナ夫人が駐車場で待っていたが、把瑠都が両国国技館を去るときは白鵬の敗戦が決まっていなかった。初日から12連勝は幕内になってから初めて。支度部屋では「優勝は意識しない。まだ3日ある。12勝3敗ということもある」と話したが、こうも言った。「土俵に上がると、負け方を覚えていない。負けるイメージはない」。把瑠都はプラス思考で、マイナス思考は考えない。念願の初優勝のともしびが胸中に明るくともった。 (近藤昭和)

 

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