正月休みは家でのんびりと過ごし、久しぶりに長時間テレビを見た。昨年は大震災があったため、年末年始の番組の中でも被災者との連帯や絆を強調する話が目立った。それ自体は大いに結構だと思う。逆境に挫けず、新しい生活や仕事に取り組んだり、元の場所での生活再建に取り組んだりしている人の姿を見ると、頭が下がる。時間が経っても、連帯の努力を続けなければならない。
それにしても、復興を祈る新年のイベントを次々に見せられると、何か違うのではないかという疑いも抱いてしまう。少なくとも原発事故と放射能汚染は人災であり、被災者が頑張っていますという話では解決できないことが、山ほどある。
メディアが情報を伝達できる時間、空間は極めて限定されている。その中に何を盛り込むかに、各メディアの見識が現れる。逆境にめげない人々の善意でメディアが埋め尽くされると、それだけ問題を追及するスペースは小さくなる。問題が余りにも巨大なので解決不能であり、ここは善意と精神論で表面を覆うということなのだろうか。
個人の頑張りでは、被災地域の復興はできないし、被災生活も続かない。大震災から1年が近づく中で、問題の真相解明と、真に現実的な地域再建策について、希望的観測を排した議論を始めるべき時だと思う。
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