関西電力の12年3月期連結決算で、最終(当期)損益が1000億円超の赤字になる見通しであることが19日、分かった。1951年の会社設立以来、過去最悪の赤字幅。定期検査で停止したままの原子力発電所の代替として、火力発電の燃料費がかさんだ。
関電の原発全11基のうち、稼働中の高浜原発3号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)は2月20日に定期検査で停止する。東京電力福島第1原発事故後、原発が再稼働できないため、80%と見込んでいた年間の原発の稼働率は、35%に落ち込む計算だ。関電は、原発の稼働率の1ポイント低下で、火力の燃料となる液化天然ガス(LNG)などの追加調達費が66億円かさむと想定。現状のままでは、今期3000億円規模のコストアップになると試算する。
また、節電要請による販売電力量の低下も収益を悪化させている。【横山三加子】
毎日新聞 2012年1月20日 東京朝刊