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国際
朝鮮総連幹部を主賓級もてなし 金総書記の追悼夕食会
2012.1.20 01:22
[金正日総書記]
【ソウル=加藤達也】北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の葬儀・告別式が行われた先月28日に平壌市内で開かれた追悼夕食会で、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を代表して出席した幹部が主賓級の扱いを受けていたことが19日、関係者の証言で分かった。北朝鮮側は朝鮮総連代表団の弔問と多額の献金を評価したものとみられる。
関係者によると追悼夕食会は、金永南(ヨンナム)最高人民会議常任委員長がホスト役を務めた。席は番号が付けられた長方形のテーブルを囲んで並べられ、1番テーブルの上座に金常任委員長、その正面に朝鮮総連の運用を担当する工作機関、統一戦線部の金養建(ヤンゴン)部長がそれぞれ着席した。総連側団長の南昇祐(ナムスンウ)副議長は金常任委員長の隣に座り、他の総連幹部も同じテーブルについたという。
金常任委員長は席上、「本来ならば皆さんの前にいてお礼をしなければならないが(不在で)申し訳ない」という後継指導者、金正恩(ジョンウン)氏の言葉を伝達。洋食を中心とするメニューや食材、もてなしの方法などについては「すべて金正恩同志の指示によるもの」と説明したという。
朝鮮総連をめぐっては正恩氏の実母、高英姫(コヨンヒ)氏が元在日朝鮮人の帰国者だったことを北朝鮮当局が、「神格化」の妨げになるとして「最高機密」に指定。事実を知る朝鮮総連との関係見直しを検討しているとの情報があり、総連内部には動揺が起きているとされる。
朝鮮総連は葬儀・告別式に約50人の弔問団を派遣し、2200万円以上の現金を北朝鮮に持ち込んだとみられることが日本の公安当局の調べで判明している。総連への主賓級待遇はこうした“貢献”に対する儀礼との見方も出ているが、総連としては金正恩体制にも引き続き従属する姿勢を改めて示した格好だ。
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