NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

去年3月の巨大地震の前兆現象か

1月20日 6時8分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

去年3月の巨大地震のおよそ1か月前、震源地の近くで岩盤と岩盤の境目がゆっくりとずれ動く現象が2度にわたって起きていたとみられることが東京大学の研究グループの解析で分かりました。巨大地震の発生を促していた可能性があるとして、分析を進めることにしています。

東京大学地震研究所の加藤愛太郎助教などの研究グループは、去年3月の巨大地震が起きる前に震源地周辺で発生した1000回以上に及ぶマグニチュード1以上の小さな地震を解析しました。その結果、巨大地震の震源地の北側の南北30キロ、東西90キロのほどの地域で、2月中旬から2週間程度、小さな地震の活動が活発になっていたことが分かりました。地震活動は北から南へと少しずつ移動し、巨大地震の震源地に近づいていったん収まりましたが、3月9日、その最も北側でマグニチュード7.3の大きな地震が発生したあとに再び、活発になって南へ移動し、2日後の11日、巨大地震が発生していました。研究グループは、こうした地震活動の際、地下の岩盤と岩盤の境目がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」という現象が起きていたとみていて、2度にわたる「スロースリップ」が巨大地震の発生を促し、いわば前兆だった可能性があると分析しています。加藤助教は、「スロースリップのあとに必ず巨大地震が起きるわけではないので、今すぐ地震の予知や予測に結びつくわけではないが、巨大地震がどのように起きるかを解明する手がかりになると思う。スロースリップと地震との関係を明らかにしていきたい」と話しています。