北朝鮮、対外債務の返済に四苦八苦

ロシアや東欧諸国に債務帳消しを要請

欧州の各銀行、北朝鮮を「忌避対象国」に

 韓国政府は今年現在、北朝鮮の対外債務が約200億ドル(約1兆5400億円)に上ると推定している。北朝鮮は共産圏が没落する前、主に旧ソ連や東欧諸国から資金を借り入れていた。

 北朝鮮は1990年代以降、経済情勢が悪化したことにより、ほとんどの国に対し、借りた資金の元金はもとより利子も返済できなくなった。北朝鮮は欧州系の銀行に対し、相当規模の債務を抱えているが、ほとんど返済していない。このため、欧州の各銀行は北朝鮮を「忌避対象国」に指定しており、これ以上関連預金を受け付けない銀行もあるという。

 ロシアは北朝鮮との関係改善のため、約80億ドル(約6140億円)に達する負債の一部を帳消しにしたことが分かった。北朝鮮は2000年代以降、対外債務を30年間にわたって分割償還する方向で協議を行ってきた。だが、ロシアは北朝鮮の資源開発などに参入する形で、債務の一部を帳消しにしたものとみられる。

 北朝鮮は経済情勢がさらに悪化したため、外交ルートで外国からの債務を帳消しにすることに力を入れてきた。2008年に金融危機が発生した直後には、ハンガリー政府に対し、債務の90%以上を帳消しにするよう要請していたことが、英紙フィナンシャルタイムズの報道で明らかになった。ハンガリーは当時、北朝鮮のこのような要請に対し、一部の債務の帳消しに応じたという。

 また、北朝鮮はチェコに対しても、約1000万ドル(約7億6800万円)に及ぶ負債のうち、95%を帳消しにするよう要請した。北朝鮮はチェコが負債の帳消しに応じた場合、約50万ドル(約3800万)を返済する代わりに北朝鮮産の高麗ニンジンを提供するという変わった提案をしたとのことだ。

 北朝鮮は債務を帳消しにするための交渉が順調に進まなかった場合、代わりに軍需物資を提供するという案も示してきた。例えば、イランに対しては、数億ドル(1億ドル=約77億円)の債務を返済するため、小型潜水艦を提供する案について協議していたことが分かった。

李河遠(イ・ハウォン)記者
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