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膨らむ除雪費、底つく予算 大雪の山陰や北陸

2011年2月11日23時37分

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 昨年末からの記録的な大雪で、除雪費が底をつく自治体が相次いでいる。

 1月31日に観測史上最大となる244センチの積雪を観測した福井県南越前町。雪がひどかった今庄地区は8日までにようやく幹線道路の除雪が終わった。当初予算で約3千万円を計上した除雪費は、今回の豪雪で1億5千万円前後に跳ね上がる見込みだ。一般会計当初予算が約78億円(2010年度)の町にとって小さくない。住宅街の路地はなお2〜3メートルの雪に埋もれたままだ。「重機が入れず、トンネルを掘るような作業になるため、費用もかさむ。もう本当に災害だ」(町の担当者)

 石川県で最も面積が広い白山市では、除雪費が当初予算の1億円をはるかに上回る見込みとなり、3月補正予算に約2億6千万円を追加計上する。隣接する能美市も、当初予算の3倍の約7千万円の除雪費を見込んでいる。厳しい財政事情のなか、「天気予報で翌日が晴れなら除雪を見送って『節約』することもある」(土木課)という。

 年末年始に観測開始以来最高の積雪量89センチを記録した鳥取県米子市は雪害対策として5億円に上る補正予算をまとめた。除雪費のほか、倒木の処理、小中学校など公共施設の補修費などを含む。当初予算は除雪費267万円だけだった。隣接の境港市は「めったに降雪がない」(担当者)と当初予算では除雪費がゼロだったが、除雪費3780万円を含む雪害対策として補正予算に約2億円を計上する。

 兵庫県豊岡市も当初の1億1千万円の除雪費に3億2千万円の追加を予定し、1月末に積雪296センチを記録した京都府宮津市も当初の2倍超の約7千万円に膨らむという。

 島根県は、大雪被害は今年に限らないと2011年度の一般会計当初予算案の除雪費を例年の約2倍の7億円にした。道路の除雪に時間がかかったことを踏まえ、除雪費とは別に新型除雪車の購入費3億7500万円も盛り込む。

 除雪費が不足する自治体が相次いでいる事態を受け、国土交通省は10日、22道府県に計101億円の交付金を追加配分することを決めた。ただ、道府県の要求額の半分程度。今後は市町村の除雪費の不足状況を踏まえて追加を検討するという。

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