祈祷を受けるしずちゃん(左)と梅津トレーナー(右)=神奈川県藤沢市の示現寺で
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ロンドンの道は「心」の修行から! 女子ボクシングミドル級でロンドン五輪を目指すお笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代(32)が18日、神奈川県藤沢市内の法華山・示現寺で心を鍛えた。しずちゃんは鈴木泰堂住職(36)に悩みを相談し説教、祈祷(きとう)を受けた。ロンドン五輪予選派遣選手選考会を兼ねる全日本女子選手権(2月8日開幕、広島)を前に「すごくいい話を聞かせてもらった。ここで負けるわけにはいかない」と闘魂に火がついた。
笑いは一切ない。しずちゃんは真剣な表情で悩みを告白し、住職の一つ一つの言葉に耳を傾けた。そこにお笑い芸人の顔はなかった。
しずちゃん「ボクシングでも普段の性格でも人に合わせて受け身になってしまう。戦っているときに無になりたい。感情ではなく、機械のように動きたいんです」
住職「あなたは機械じゃない。生身の人間だ。目指すのはロボットじゃない。心と体を切り離しちゃダメ。こういう心になりたいと思ったものになれる。そのためには心の修行が必要になる」
練習中につらくて泣いてしまうことがある。エンジンがかかるまでに時間がかかってしまう…。次々と悩みが出てくる。ロンドン五輪を目指す上で、技術だけでなく、精神面の弱さがずっと気になっていた。
しずちゃん「涙が出たり自分でコントロールできなくなったりする時があるんです。練習中に焦ってしまったり…」
住職「追い込まれると人間は本性が出る。修行で弱い自分をさらけ出すことは大切。悩むのは無駄じゃない。悩みがないと人間は飛躍できないんです」
心技体。技と体はジムで練習できても、心を磨くことはなかなかできない。祈祷が終わった後も、しずちゃんは住職との会話に時間を費やした。
住職「しずちゃんは活力はあるし、エネルギーはあると思う。欠点を理解し、コントロールして、それをどう爆発させるか。本当に心を鍛えたければ、いつでも一人で来ればいい」
しずちゃん「すごくいい話を聞かせてもらいました。自分の考えが逃げだった。思っているものをどう爆発させるか。心の修行がまだまだ足りないと感じました」
ロンドンへの道は遠く険しい。それでも進まなくてはならない。約2時間の心の修行を終えたしずちゃんは、少しすっきりした表情で砂浜トレーニングへと向かった。
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