◇初場所 11日目(18日・両国国技館)
白鵬(右)が押し出しで稀勢の里を下す=両国国技館で
|
 |
大関把瑠都(27)=尾上=が大関日馬富士(27)=伊勢ケ浜=を力強く押し倒し、11連勝で単独トップを守った。日馬富士は3敗目。横綱白鵬(26)=宮城野=は新大関稀勢の里(25)=鳴戸=を押し出して1敗をキープし、稀勢の里は2敗に後退した。大関琴欧洲は関脇鶴竜に下手投げで敗れて3敗目。鶴竜は勝ち越した。全勝の把瑠都を1敗で白鵬、2敗で稀勢の里、平幕の栃煌山が追う展開となった。十両は千代大龍、阿夢露が10勝1敗でトップ。
稀勢の里の右腕をへし折らんばかりの気迫だった。10日目に痛恨の黒星を喫し追う立場となった白鵬は、獲物に襲いかかるような勢いでぶつかっていった。とったりで稀勢の里の右腕を攻め、頭をつけて押し出した。
「久しぶりに追う立場ですから。こんなに気楽なもんなんだなあ。気楽にいけた。負けても2差つくだけ。(全勝でいくと)記録との戦いになるし、引っ張る立場だと疲れもある」。その言葉とは裏腹に、連敗は絶対にしないという激しい攻めを見せつけた。
昨年秋場所は稀勢の里の小手投げに敗れた。初場所のポスターに腕をきめられているその写真が使われた。「見なくても目に映る」。横綱にとって残酷なシーンに、悔しさが入り交じる複雑な心境だった。
稀勢の里戦の朝稽古後、タイミングよく縁起のいい贈り物が届けられた。東京地区の約50人で結成されている「白鵬関を励ます会」から直径30センチ、重さ約1・5キロある合金製の鏡があしらわれた化粧まわしが贈呈された。太刀持ちと露払い用には金剛力士像があしらわれている。
製作したのは「宮田刺繍舗」の日下〓介(ひょうすけ)氏。「鏡というのは信仰の対象で、光をはね返し、すべてを映しこむ。相撲道のいきつくところを表現できる」と説明。いわゆる祭祀(さいし)に使われる神聖な鏡をあしらっている。
横綱もそれを見ていたく感動した。「いつも輝いていて、吸収するものは吸収して、照らすものは照らす」と自分と重ね合わせるように話していた。早ければ12日目の横綱土俵入りでお披露目するつもりだ。
稀勢の里の力を封じて常に中心で輝く。把瑠都との1差はまだ縮まらないが、すっかり息を吹き返したようだった。 (岸本隆)
※〓はうえが水にしたが水水
この記事を印刷する