インターネット上で映画、音楽などの著作権を保護する法案を巡り、米メディア業界の新旧勢力で対立が激化している。海賊版被害が年間10兆円とされる映画業界などは歓迎。一方、オンライン百科事典「ウィキペディア」を運営するウィキメディア財団は18日、法案への抗議を表明する目的で、英語版サービスを24時間停止した。著作権保護かネットの自由か。議論は熱を帯びてきた。
問題の法案は昨年10月に提出され、米下院司法委員会で審議中の「オンライン著作権侵害阻止法(SOPA)」。海賊版のハリウッド映画などを配信する外国サイトへのアクセスを遮断することで、米企業の被害を減らすのが狙い。
ネット業界は「言論の自由の制限につながる」と猛反発。ネット検索最大手の米グーグルも同日、英語版の検索サービスのトップページに、法案への反対を呼びかけるサイトへのリンクを掲載した。昨年11月にはフェイスブック、ツイッターなどとの連名で「(原案通り成立すれば)ネット産業の革新や雇用創出を深刻な危機にさらす」との手紙を上下両院の司法委員長らに送付している。
法案を支持する全米商工会議所によると外国のサイトを介した著作権侵害による米企業の被害は年間1350億ドル(約10兆円)。特に中国の海賊版サイトを意識しているとされる。
中国ではドラマや映画、音楽など様々なコンテンツで海賊版が横行している。米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏の伝記も10種類以上の海賊版が出回った。中国当局は違法DVDの押収や販売業者の摘発を強化しているが、目立った効果は出ていない。
法案は当初、昨年12月に委員会での審議を終えるとみられていたが、ネット業界の反発で年越し。オバマ政権は14日、知財保護の重要性は認めつつも、現行の法案には懸念を表明。法案の修正は避けられないとの見方が広がっている。
(ニューヨーク=小川義也、北京=多部田俊輔)
ウィキペディア、インターネット、グーグル、ツイッター、SOPA、フェイスブック、アップル
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