石油連盟の天坊昭彦会長は、19日の記者会見で、アメリカのイランへの制裁措置の影響で、今後、日本の石油元売り各社は、イランからの原油の輸入量を減らさざるをえないという見通しを示しました。
アメリカ政府は、イランの中央銀行と取り引きのある外国の金融機関に制裁を科すことで、イランからの原油などの輸出入を事実上できなくする制裁措置に日本も協力するよう求めています。これについて、石油連盟の天坊会長は記者会見で「政府が企業に対して輸入をするなと言える関係にはないが、銀行が取り引きできなくなったら、輸入の決済もできない。銀行が『アメリカの制裁が怖いからイランとの取引をやめます』と言ったら終わりだ。現実的な対応として、各社はなるべくイランからの輸入量を減らし、ほかから輸入する努力をすると思う」と述べ、今後、イランからの原油の輸入量を減らさざるをえないという見通しを示しました。そのうえで天坊会長は、イランからの輸入の代替措置について「サウジアラビアは、イランが輸出している原油の量に匹敵するくらいの供給余力がある」と述べ、直ちに原油の需給がひっ迫することはないという認識を示しました。