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【原発の寿命】中立性に疑問を抱かざるを得ない/原発の延命には、厳しく歯止めをかけるべきである


【京都新聞】<社説>
■原発「60年」容認  安全確保の根拠を示せ
 原発を安全に運転できるのは、どれぐらいの期間なのだろうか。
 政府が、原発の運転期間を最長60年認める方針を打ち出した。
 疑問なのは、細野豪志原発事故担当相が「40年で廃炉」とする方針を示し、「延長は極めて例外」と明言したばかりなのに、一気に20年もの例外を容認したことだ。
 政府は、最新の技術基準に適合しない原発の運用を厳格化するなど原子力安全規制の見直し作業中で、「40年廃炉」もその一環だ。
 「最長60年」の容認は、自らの方針を骨抜きにする。原発に対する国民の不安をさらに増幅しかねない。再考を求めたい。
 政府の説明では、原発の運転期間を40年にするのに伴って例外的に認める運転延長を1回に限って認め、上限を20年とするという。
 そもそも「40年廃炉」の根拠も不明なのに、さらに20年の延長が可能、というのは首をひねる。
 4月に発足する原子力安全庁の準備室は、60年まで運転が認められている米国を参考に「原子炉に劣化が生じても安全性が確保できる」を条件にしたと説明する。
 しかし、そのための具体的基準は決まっていない。判断基準が未定なのに、20年延長を先に認めるのは順番が逆ではないか。
 長い年月にわたって中性子を浴びる原子炉内の圧力容器は劣化が進む。その程度を診断する技術は確立されていないとされる。原子炉の心臓部である圧力容器は補修や交換が難しい。安全性をどう確保するつもりなのだろうか。………(2012年1月19日)<記事全文>

【中日新聞】<社説>
■原発最長60年 国民の安全は二の次か
 原発の寿命とは、そんないいかげんなものなのか。四十年といっていたはずが、半月もたたぬ間に最長六十年まで延びた。しかも基準は米国にあるという。安全への決意は一体どこへ行ったのか。
 原発の寿命は原則四十年。例外的に延長される余地はあるものの細野豪志原発事故担当相は「四十年以上の運転は極めて難しくなった」と言い切った。無理な延命は危険である、との認識に立つ見解ではなかったか。
 その原発相が外遊中に「実質六十年は運転可」とも受け取れる、延長期間の上限が示された。一体この政府はどうなっているのかと疑いたくなるような、激しい方針のぶれである。
 電力会社は、原発の老朽化を認めていない。「高経年化」と呼び変える。部品さえ交換すれば、老朽化はありえないという、極めて特異な考え方に立っている。
 たとえば関西電力美浜原発のPR施設には、老朽化は古くなって役に立たなくなったこと。高経年化は時間の経過を意味するもの。安全性、信頼性維持活動を行っている以上、老朽化に至ることはない、との掲示がある。
 事故を起こした福島第一原発の1~4号機は、運転開始から今年で四十一~三十四年という古い原発だ。老朽化が事故の一因になった恐れは十分ある。
………(2012年1月19日)<記事全文>

2012/01/19 12:20

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