宇宙の成り立ちを説明するうえでその存在が予言されている未知の素粒子「ヒッグス粒子」を見つけ出すため、スイスにつくられた実験施設の巨大な検出器の内部が特別に公開されました。
「ヒッグス粒子」は、宇宙の成り立ちを説明するうえで理論的に存在が予言されながら、まだ見つかっていない素粒子で、スイス・ジュネーブ郊外にあるCERN=「ヨーロッパ合同原子核研究機関」の実験施設では、光とほぼ同じ速度まで加速した陽子どうしを衝突させ、その際に飛び散る素粒子の中から「ヒッグス粒子」を見つける実験が行われています。この実験に使われている高さ25メートル、奥行き44メートルの巨大な検出器の内部が、17日、NHKに特別に公開されました。検出器は現在、補修管理のため運転が止められており、新たな測定装置を取り付ける作業などが行われています。この実験では、多くの日本人研究者がデータの分析に当たっているほか、検出器の開発にも日本のメーカーが参加しています。CERNでは、ことし中にはヒッグス粒子について最終的に確認できるとする見通しを示しており、成功すればノーベル賞級とも言われる実験の行方に世界中の注目が集まっています。