トヨタ自動車の車が意図せず急加速したとの訴えが米国で相次いだ問題で、米科学アカデミーは18日、調査結果を公表し、トヨタ車の電子制御システムに問題はなかったと結論づけた。
トヨタの急加速問題を巡っては、同社が2010年までにアクセルペダル関連の大規模リコール(回収・無償修理)をしたあとも、米消費者から「電子システムにも問題があるのでは」との疑念が寄せられ続けた。これを受けて米運輸省は11年2月、「電子システムには急加速を引き起こす欠陥は見つからなかった」との調査結果を発表した。
米科学アカデミーは同省から依頼を受けて別途調査をしていた。18日に公表した報告書のなかでは「米運輸省の決定は正当化された」として、運輸省の結論を支持する考えを示した。
ただ、急加速問題を巡る当時の米運輸省の対応について「国民の不安に対し、納得できる対応ができなかったのは問題だ」と指摘。複雑化する自動車の電気システムに対応できるよう、同省がさらに専門知識をつけるよう求めた。(ニューヨーク=山川一基)