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やってられない慎太郎知事が選考委員辞意

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 東京都の石原慎太郎知事(79)が18日、報道陣に対し、95年から続けている芥川賞の選考委員について「今回をもってやめる。全然刺激にならない」と述べ、辞任の意向を明らかにした。慎太郎氏はかねて、最近の若手の作品に不満を漏らし、17日に決まった第146回芥川賞を受賞した田中慎弥さんが、慎太郎氏の発言に反発する騒動も起きた。政界では、「新党結成に向けた環境整備ではないか」との見方も出ている。

 慎太郎氏は18日、都庁内で「いつか若い連中が出てきて、足をすくわれる。そんな戦慄(せんりつ)を期待していたが、全然刺激にならないのでやめる。自分の人生にとっての意味合いの問題だ」と説明した。「物書きとしての緊張感を覚えさせてくれる作品がない。みんなマーケティング。同じ作家が次々違うものを書いてくる」と、最近の文学作品への批判も述べた。

 関係者によると、17日に行われた第146回芥川賞選考に出席した際、すでに周囲に辞意を漏らしていたという。慎太郎氏は辛口の批評で知られ、6日の定例会見では、今回の芥川賞候補作について「ばかみたいな作品ばかりだよ、今度は」と、指摘していた。

 この時の発言をめぐっては、今回5度目のノミネートで芥川賞を受賞した田中さんが「(受賞を断って)気の小さい選考委員が倒れたら、都政が混乱する。都知事閣下と都民のため、もらっといてやる」「(慎太郎氏は)新党結成にいそしんでほしい」と反発する騒動に発展。慎太郎氏は、田中さんの挑発を「皮肉っぽくていい」と述べ、受賞作「共喰い」を自身は評価していたことを明かしており、辞意と田中さん発言との関連性はないとみられる。

 政界では「石原新党がらみの動きではないか」(自民党関係者)との見方も出ている。慎太郎氏は6日の会見で「東京のために知事になったんじゃない。国のため、都知事より大事な仕事はそっちをやる。私は自分の人生、自分で決める」と述べ、4期目の任期にこだわらず、国政を見据えたような発言をしていた。

 慎太郎氏が選考委員を始めたのは、衆院議員を突然辞めた95年。辞職を機に始めた選考委員を退任となれば、「タイミング的にも、文壇→国政復帰が頭にあるのでは」(関係者)。同賞を主催する日本文学振興会は「これから石原氏に会い、相談したい」としている。慎太郎氏の動きは、政界動乱のきっかけになるのか。

 ◆芥川賞の選考委員 現在は慎太郎氏のほか、小川洋子、川上弘美、黒井千次、島田雅彦、高樹のぶ子、宮本輝、村上龍、山田詠美の各氏、計9人が務めている。日本文学振興会によると、委員の人数は「10人前後」で、任期は決まっていない。87年から25年、選考委員を務めてきた黒井氏が今回限りで退任することが、すでに発表されている。

 [2012年1月19日8時55分 紙面から]


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