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2012年1月18日21時40分

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97年の誤認逮捕、謝罪 千葉県警、別の男を逮捕

 千葉県流山市で1997年5月、会社員の田島由美さん(当時24)が遺体で見つかった事件で、千葉県警は18日、田島さんからキャッシュカードを奪い、刺殺したとして、別の強盗などの事件で服役中で、当時17歳の男(32)を強盗殺人容疑で逮捕し、発表した。

 県警は事件発生の約1カ月後、田島さんの祖母と姉夫婦の3人を殺人容疑で逮捕。しかし千葉地検は、約20日後に3人を処分保留のまま釈放し、翌98年1月に証拠不十分で不起訴処分にした。

 18日記者会見した宮内博文・県警捜査1課長は「当時の逮捕は誤認逮捕」と認めた。祖母は故人で、姉夫婦には最近、直接会って謝罪したという。宮内課長は会見冒頭でも、「あやまって逮捕された方々に、心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪。県警は今後、誤認逮捕の経緯の確認を進める。

 捜査1課によると、当時、祖母が捜査段階で田島さんの殺害を認める供述をしたほか、現場に残っていた第三者の遺留物の血液型が、姉の夫と一致したため3人を逮捕した。しかし逮捕後、この遺留物のDNA型は別人のものと分かった。さらに、祖母が供述を翻して否認し、姉夫婦も一貫して否認していた。

 宮内課長は「自供したという事実をやや重く見過ぎた」とし、「DNA鑑定の結果など客観的証拠について、もう少し踏み込んだ捜査をすれば違う展開があったかもしれない」とした。

 捜査1課によると、男は97年5月、流山市鰭ケ崎の雑居ビル3階の田島さん宅で、田島さん名義のキャッシュカードを奪ったうえ、田島さんの背中など数カ所を刃物で刺すなどして殺害した疑いがある。

 県警は、殺人罪などの時効が撤廃されたため、手口が似ている別の事件の容疑者らについて改めて捜査を進めたところ、この男が事件当時、田島さんの近所に住んでいたことが判明。今月上旬、現場に残されていた遺留物のDNA型が男のDNA型と一致したという。

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