首都圏連続不審死事件で殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第5回公判が17日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)であった。09年8月に練炭自殺を装って車内で殺害されたとされる東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん(当時41歳)の事件で、検察側は被告が大出さんを婚前旅行で家族に会わせるとうその約束をし、殺害を準備したと主張した。
検察側は、大出さんが、殺害当日とされる09年8月5日の自身のブログに「相手のご家族と会うのです。今夜から2泊3日で相手と婚前旅行に行きます」と記していたと説明。ところが被告の義弟と妹は大出さんと交際していることを知らず、8月5日に会う話も聞いたことがないとする供述調書を朗読した。
また、大出さんの当時の職場の上司が証人出廷し、大出さんに自殺の予兆があったか聞かれ「ありませんでした」と証言した。弁護側は大出さんが自殺した疑いがあると主張している。【田口雅士、平川昌範】
毎日新聞 2012年1月18日 地方版