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【神奈川】

「おかしい 言い続ける」 就職差別裁判闘った朴さん 川崎で定年退職祝う会

定年退職を祝う会で笑顔を見せた朴さん=川崎区で

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 一九七〇年代の「日立就職差別裁判」を闘った在日韓国人の朴鐘碩(パクチョンソク)さん(60)=横浜市戸塚区=の「日立定年退職を祝う会」が六日、川崎市川崎区内で開かれた。

 朴さんは七〇年、日立製作所の採用試験に日本名で合格したが、戸籍謄本を求められる中で在日であることを告げると採用取り消しの通告を受けた。同年に横浜地裁に提訴。在日と日本人共同の「朴君を囲む会」や韓国の青年らの支援を得つつ三年半の裁判の末、解雇無効などの全面勝訴を勝ち取った。

 朴さんは昨年十一月、同社を退職。「日立闘争は、民族や人権について多くを学んだ、私の人生の大学だった」と振り返った。「労使一体の組織体質に、日立闘争を労組が見て見ぬふりをした背景が感じられた」という。「今後もおかしいことはおかしいと言い続ける」と誓った。

 日立闘争で弁護人を務めた民主党の仙谷由人政調会長代行も駆けつけ「日立闘争は日本と韓国、在日の存在、日本人のありようが問われる歴史的な事件だった」と振り返った。

 祝う会を主催した「新しい川崎をつくる市民の会」事務局の崔勝久(チェスング)さん(66)は、日立闘争後も朴さんと地域の民族差別問題に取り組んでいることに触れ、「多文化共生もよいが、権利が不十分な現システムに埋没してはならない」と強調。「災害があれば外国人も同じように死ぬと、東日本大震災ではっきりした。民族を超えて日本人と一緒になって、防災対策にも関与していく」と語った。

 横浜国立大の加藤千香子教授(日本近代史)らを交えたパネル討論もあった。

 

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