診療報酬改定を議論する厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は18日、勤務医の負担軽減や医療・介護の連携強化などを図るための12年度改定案の骨子をまとめた。これに基づき、今後診療報酬の項目ごとの配分を決める。厚労省は同日から25日まで骨子に関する国民の意見を募る。
12年度改定では、前回の10年度改定に引き続き、救急、産科、小児科、外科など医師不足が指摘される診療科の勤務医の負担軽減策に重点配分する。6年に1度の医療・介護同時改定となる点を踏まえ、医療と介護の役割分担や連携強化、在宅医療の充実なども推進する。手術料など本体部分のプラス改定で得られる約5500億円を充てる。
勤務医の負担軽減策としては、開業医などの紹介状を持たない患者の受け入れ率が高い大規模病院の初診料(2700円)を一部保険適用外とする。
紹介状のない患者がこうした大病院を訪れると自己負担が増えるようにすることで、軽症患者を中小医療機関に向かわせ、大病院の勤務医の負担を減らす。現在も200床以上の病院は紹介状のない患者から特別費用を徴収できるが、紹介率の低い大病院に行くとさらに自己負担が重くなるようにする。
医療・介護の連携強化では、在宅復帰に重要な訪問看護の充実を目指す。スムーズな退院を促すため、退院日の訪問看護に加算する。また保険適用外の時間外の訪問看護を保険適用対象とし、患者の自己負担を軽くして利用増を図る。
医療と介護で重複するリハビリテーションは、身体機能維持を目的としたリハビリを減算し、介護保険のリハビリに切り替えるよう促す。【山田夢留】
毎日新聞 2012年1月18日 22時44分