(cache) 紀南初の不整脈手術　紀南病院で成功

紀南初の不整脈手術　紀南病院で成功

　和歌山県田辺市新庄町の紀南病院は、不整脈の原因となる部位をカテーテルで焼き切る手術に成功した。紀南で初めてという。奥本泰士循環器科医長（39）は「これまで大阪や和歌山の病院を紹介していたが、遠いので我慢するという患者もいた。当院で手術できる態勢が整い、紀南でも受けてもらえるようになった」と話している。

　不整脈は一定のリズムでうっている脈拍が速くなり、激しい動悸（どうき）や失神を起こす。その原因の一つに、電気刺激を伝えて心臓を動かす「刺激伝導路」が、通常の１本ではなく余計にあり、悪影響を及ぼすことがあるという。

　今回成功したのは「カテーテルアブレーション」という方法。手術時間は２～６時間程度。局所麻酔をし、心臓にカテーテルを５本入れる。４本で余計な伝導路を探し、１本の先から温度50～55度の高周波を出して一部を焼き切る。傷は目立たないという。

　日本では５、６年前に定着した治療法だが、紀南では行われておらず、同院ではこれまで飲み薬で発作を起こしにくくするか、和歌山市や大阪府の病院を紹介するしかなかったという。

　安全に手術するため、熟練した医師や看護師、臨床工学技士ら６人以上が必要で、昨年から態勢を整えてきた。13日に67歳と70歳のいずれも女性患者を手術した。

(2012年01月18日更新)