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橋下大阪市長、西成区活性化に「課税ゼロ特区」構想

 大阪市の橋下徹市長が、市内24区で最も高齢化率、生活保護率が高い西成区の活性化策として、市外から新たに転入した子育て世帯を対象に、固定資産税、市民税などを所得制限なしで一定期間免除する特区構想を検討していることがわかった。子どもが私立小中学校に通う場合は、独自の授業料助成も目指す。区内の教育内容の拡充にも意欲を見せており、異例の「えこひいき政策」に着手するが、優遇措置を受けられない住民への説明責任も求められそうだ。

 人口約12万人の西成区には、日本最大の日雇い労働者の街「あいりん地区」がある。保護率は23・4%で、ほぼ4人に1人が受給しており、65歳以上が占める高齢化率も33・8%と突出している。橋下市長は「西成を変えることが大阪再生の第一歩。行政の公平性だけでは解決できない」として、政治主導で改革に乗り出す意向を示している。

 西成特区構想は、子育て世帯を呼び込むため、小中学生がいる家族の市外からの転入を念頭に、固定資産税や市民税を一定期間ゼロにする。免除終了後も減税措置を継続。大阪府の松井一郎知事とも協議し、府民税の減免も働きかける。

 地方税法は、公益上の理由があれば、条例化を条件に、自治体が課税を不均一にすることを認めている。

 また、区内の学校施設や教育内容の充実にも取り組み、私立小中学校に通学する世帯は、所得制限を設けて助成する方針。

2012年1月18日  読売新聞)
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