政界騒然!橋下市長&石原知事“最強タッグ”で衆院選100議席!

2012.01.18


橋下氏(左)の選挙応援に駆け付けた石原氏。2人の関係は良好だ=2011年11月26日、大阪市中央区【拡大】

 東京都の石原慎太郎知事(79)が80人規模の新党を立ち上げる−との本紙の報道が波紋を広げている。石原氏は産経新聞とFNNの世論調査で「リーダーにふさわしい」政治家の2位にランクされただけに、既存政党も身構えているのだ。この調査で1位だったのが大阪市の橋下徹市長(42)。石原、橋下両氏は近い関係にあるため、専門家は「連携が実現すれば、次期衆院選で100議席はいく」と話す。最強タッグ結成で、政界の大波乱は必至だ。 

 「石原知事が事務所にきて、『このままでは日本はダメになる。俺は死んでも死にきれない。保守が再編成して新しい流れを作るべきだ』と強い意欲だった。自民党から30−40人、民主党からも集めて70−80人の集団で、政界のキャスチングボートを握る。2月半ばに方向を出したい」

 夕刊フジは17日、連載「鈴木棟一の風雲永田町」で、石原氏が応援団長を務める「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表が先日、経済人との新年会でこう演説したことを報じた。

 一方、橋下氏は「大阪都構想」を掲げて、地域政党「大阪維新の会」から近畿圏を中心に70人を擁立する考えを示している。ここに、石原氏が立ち上げる80人規模の「石原新党」が連携すれば、そのインパクトは絶大だ。野田首相が16日の民主党大会で「やるべきこと(=消費税増税)をやり抜いて信を問う」と宣言し、年内の解散・衆院選が確実視されるなか、石原、橋下両氏が合体する可能性はあるのか。

 政治評論家の浅川博忠氏は「既存政党への反発、既得権の打破という共通項で2人が連携する下地はある。衆院選で東西の大都市の首長が中心となった第3極として出てくれば、それぞれ立候補者の7割は当選し、100議席を獲得するだろう」と語る。

 1993年の衆院選で、細川護煕氏率いる日本新党が躍進して、細川内閣が誕生した歴史が繰り返されることもあり得る。

 維新の会関係者は次のような“奇策”を語る。

 「維新の会と石原新党が大阪と東京ですみ分け、自民党の一部の候補には、対立候補を立てずに推薦を出すという戦略も検討されている。石原氏も、選挙後に新党と自民党で連立政権を組めば、長男である自民党の石原伸晃幹事長を首相にする道筋もつくれる。橋下氏を後継の都知事と考えているフシもある」

 石原・橋下合体について、もうひとつの懸念は両者の強すぎる個性。ともに“独裁批判”を受ける人物だ。果たして、連携はうまくいくのか。

 在阪ジャーナリストは「橋下氏は大阪府知事当選後の2008年ごろ、共通の知人である経済人を通じて、石原氏と直接語り合っている。橋下氏が上京して3時間にわたって会談し、道州制を軸に2人は意気投合した。それ以来、石原氏は全国知事会などで橋下氏の肩を持つなどかわいがってきた。『ジジ殺し』といわれる橋下氏の本領発揮だ」と話した。

 実際、昨年11月の大阪ダブル選挙でも、石原氏は選挙戦最終日に橋下氏の応援に入った。

 さらに、同年12月の産経新聞の特別対談は、2人の良好な関係が紙面にハッキリと表れていた。

 石原氏が「僕が橋下さんを評価するのは、僕と同じ考え方だからなんだよ」というと、橋下氏は「国全体の統治機構となれば、石原知事みたいな方が旗を振らないと、本当に変わらないと思います」と絶賛。これに対し、石原氏は「あなたみたいな若い人、体力のある人間がやればいい」とエールを送ったのだ。

 ただ、政策的な距離はありそうだ。

 橋下氏のブレーンは経済成長を重視して、増税に慎重な「上げ潮派」が多い。石原氏に近い、たちあがれ日本は、消費税増税を柱とする「財政再建派」で水と油ともいえる。

 民主党の小沢一郎元代表との関係でも、橋下氏は連携も視野に入れた半身の構えなのに対し、石原氏は「小沢色の者はいらない。絶対にイヤだ」と拒絶している。

 さらに、永田町事情通はこんな情報を明かす。

 「石原氏は昨年12月下旬、国民新党の亀井静香代表とともに新党結党の記者会見まで準備していた。ところが直前、伸晃氏から『新党は止めてくれ』と説得され、会見は中止となった。あれから約1カ月、状況は変わっていないはずだ」

 誰が誰と組み、誰を切るのか−。いずれにしても、石原氏と橋下氏を軸に、次期衆院選をにらんだ駆け引きがすでに始まっていることだけは疑いない。

 

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